mixiユーザー(id:3210641)

2010年01月19日12:50

83 view

【バレエ】新芸術監督による演目説明会(その1)


某掲示板では、
アタマの軽い奴が「税金の無駄遣いだ」と軽口を叩いていますが、
実に有意義なひとときでした。(^^)
あーゆートコ(掲示板)で一方通行の語りしかできない者には、
言葉のキャッチボールの大切さが理解できないのでしょうね。

       *     *     *

すでにあちこちで話題になっていますが、
新国立バレエの2010〜11シーズンの演目がリリースされました。
http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/cms/kouen_list02.cgi#season2

○10月〜11月/トリプル・ビル
 「ペンギン・カフェ」(ビントレー)
 「シンフォニー・イン・C」(バランシン)
 「火の鳥」(フォーキン)

○11月〜12月/「シンデレラ」(アシュトン版)

○1月/「ラ・バヤデール」(牧版)

○3月/ダイナミック・ダンス!(トリプル・ビル)
 「コンチェルト・バロッコ」(バランシン)
 「テイク・ファイヴ」(ビントレー)
 「イン・ジ・アッパー・ルーム」(サープ)

○5月/「アラジン」(ビントレー改訂版)

○6月〜7月/「ロメオとジュリエット」(マクミラン版)

総計で35公演。マールイの1カ月半分です。
ちなみにロイヤルは年間200公演以上。
数字の違いの理由、聞いてくればよかったなあ。(^^;)

       *     *     *

会場はオペラパレスのホワイエ。
入ってすぐのところに椅子が並べられ、
大きなモニターも置かれています。

まずは司会者がビントレーさんのプロフィールを簡単に紹介。

1957年英国のハダースフィールド生まれ。
学生の頃はバレエを習うためバスを3回乗り継ぎ、
片道3時間かけて稽古場に通っていたとか。
同世代の若者たちが経験するすべてを投げうって練習に没頭し、
当時は人生の多くの時間をバスの中で過ごしたため、
映画「リトル・ダンサー」を見ると泣けてくる、とのこと。(^^;)

任期は今年10月から3年間、
ただしバーミンガム・ロイヤル・バレエの芸監も兼任です。

...大丈夫かなぁ。(^^;)

       *     *     *

以下、司会者との質疑応答というスタイルで進行。


今回の新国との関わりを、どう思われますか?


ここのバレエ団のダンサーたちがどれほど練習に熱心で、
しかも私の作品に大きな関心を持ってくれたかを示す
エピソードを2つ、紹介したいと思います。

「カルミナ・ブラーナ」の時、私は練習時間を間違えて、
予定より1時間もオーバーしてしまったのですが、
そのことについて誰も何も言わず、みな黙々と練習を続けていました。
このようなことは、このバレエ団でしか経験がありません。

*(ぱろ注)
海外では珍しいそうです。もちろん練習熱心というのはあるでしょうが、
日本人の私は、それだけではないような気がするのですが...。(^^;)

もうひとつは「アラジン」の時の話です。
舞台のリノリウムを敷く時、
手違いで非常に滑りやすくなってしまいました。
しかしリハーサルの時間は2日間しかなかったため、
私はダンサーたちに危険だから無理はしないようにと伝え、
床はそのままで練習を続けることにしました。

ところがダンサーたちは手を抜くことなく、みな力一杯踊っていました。
このことから、彼らが私の作品に対し、
とても興味を持ってくれていたことがわかりました。


一見美談のようですが、実はそうではありません。
ビントレーさん、ダンサーの意気込みは認めていても、
行為そのものについては誉めていませんよね。(uu)


新シーズンの6つの演目が選ばれた理由と、その特徴をお話願えませんか。


新芸監としては、極力新作を入れたかったのですが、
それは現実的ではありませんでした。
しかし、バレエ団には新しいレパートリーを、ぜひもたらしたかった。
そこで新しいレパートリーと劇場のレパートリーの中から、
コンビネーションを考えつつ、自分の良く知っている演目を選んだのです。

「シンデレラ」は良く知られている作品です。バーミンガムでも上演しています。
新シーズンのオープニングは新作で幕開けしたかったのですが、
ちょうどバーミンガムで「シンデレラ」を新制作している最中のため、
諦めざるをえませんでした。

けれど新国のダンサーたちとも関わりを持って仕事をしたかったので、
私の「ペンギン」を選びました。
日本では古典の人気が高いことは知っています。
しかしエキサイティングな部分は、
トリプル・ビルとすることでカバーできると思います。

また古典の主役は2、3人ですが、今回の3作品なら20人は登場します。
そしてオーケストラにとっても、
今回のプログラムは注目しがいがあるのではないでしょうか。

「ラ・バヤデール」は、
牧さんには今後もバレエ団と関わっていただきたいと思い選びました。
この作品は、彼女の素晴らしい遺産です。
マカロワ版よりも優れていると思います。

「アラジン」は改訂版になる予定です。
これは新国のための作品で、初演時、ダンサーたちが、
これは自分たちの作品だと思ってくれたのがわかりました。

「ダイナミック・ダンス!」を予定している中劇場は、特別なステージです。
十分な広さがあり、オーケストラ・ピットも良い。そして観客と一体感を味わえる。
ここで真のバレエ・ファンが楽しめるものを演りたかったのです。
大きな舞台でやる古典は初心者も楽しめますからね。

3演目の中の「テイク・ファイヴ」は私の作品ですが、
これはジャズという新しい音楽をバレエにもたらしたいと思い創りました。

(続く)
0 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2010年01月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31