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2007年08月31日20:11

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【バレエ】夏ガラ/その8(ボリショイ&マリインスキー合同ガラAプロ)

30日の初日を観てきました。

大型のハイビジョン・カメラが入っていたので、
カメラマンにたずねたところ、
10月5日金曜夜の「芸術劇場」だそうです。(^^)

...3日間を編集してくれるといいなあ。
昨夜のだけでは、みんなちょっと不本意かも。(^^;)

       *     *     *

興行の煽り方やチケット価格、一部の熱狂的なファンなど、
もろもろの背景を考えなければ、昨夜はそれなりに楽しい一夜でした。

しかし、昨年のマリインスキー公演同様、
中堅・若手中心の、いわば1.5〜2軍の舞台を、
大々的に「世紀の競演!」と謳い、
チケット価格を吊り上げるのはいかがなものでしょう。
(S席で2.2万円。あの豪華で内容充実のフェリ公演ですら2.1万円)

       *     *     *

タイムや得点を競うスポーツではないので、
勝ち負けなど関係ないのですが、
1部がボリショイ、2部がマリインスキーと、
あそこまできっちり分けられてしまうと、
つい、どちらの力量が上だろうか、と比べてしまいますよね。(^^)


★第1部 ボリショイ・チーム

☆「エスメラルダ」2幕PDD 

ボリショイのトップ・バッターは、クリサノワさんとグダーノフさん。
2003年モスクワ、1994年ボリショイ卒業とのことですから、
若手と中堅どころの組み合わせですが、
どうもパートナーシップがうまくかみ合ってなさそうです。
しかもクリサノワさん、なんか偉そう。(^^;)

ふたりとも悪くはないのですが、いまひとつピリッとしません。
クリサノワさんはポージングが魅力的なので、
もう少し音楽に合わせてくれれば、さらに良くみえるのに。

あ、オケ(東京ニューシティ管弦楽団)はまあまあでした。(^^)
迫力不足は相変わらずですが、邪魔はしなかったです。
指揮者はソローキンさんとポリャニチコさん、
ボリショイとマリインスキーの常任です。
テンポがいまひとつダンサーとシンクロしてないところ、
特にマリインスキーの方が気になりましたが、
指揮者とダンサー、どちらが原因なのでしょうね。

☆「マグリットマニア」デュエット

コバヒゼさんは01年ボリショイ卒業のクール・ビューティ。
相方のシュピレフスキーさんは、
ご存じ06年にベルリンから移籍してきたハンサム。
このふたりが正装すると、実に様になります。

作品は80〜90年に活躍したボリショイのダンサー、
ポーソホフが2000年に発表したコンテで、
奇っ怪な振付はないものの、
クラシックの有名どころをかき集めてアレンジした音楽は、
背中がむずむずしてくるほど崩しており、
ダンサーとオケ、よく合わせられるなあ、
と妙なところに感心してしまいました。

☆「海賊」1幕奴隷の踊り

「海賊」がなんでここかな? と思ったら、
ギュリナーラとランケデムのPDDでした。
メルクリーエフさんのアリを期待していた人は、
ちょっとがっかりしたかも。(^^;)
でも、悪くはなかったですよ。

カプツォーワさんは96年卒業の中堅。
メルクリーエフさんは同世代で、
01年にマールイから惜しまれつつマリインスキーに移籍、
(まぁね、栄転だからね...。(-_-))
06年ボリショイに移籍。

メルクリーエフさんの顔の長さがインパクトあって、
踊りの印象が...ない。f(^^;)

☆「ジゼル」2幕PDD

97年卒業のルンキナさん、98年卒業のスクヴォルツォフさん。
ふたりとも普段から主役をこなしているだけあって、
上記3組と比べるとさすがに上手です。

ルンキナさん(彼女ももう中堅なんだなあ...)、
見かけはジゼルにぴったりで、音もなく軽快に跳ねるのですが、
妖精というよりはゴムまり。ふわふわ感がないんですよね。
サポートも、改めてパケットさんのあの力技、効果あるなあ、
としみじみ。最近観たばかりだからね。

☆「ファラオの娘」2幕PDD

アレクサンドロワさんとフィーリンさん、
実はボリショイ・チームの中で一番期待していたふたり。
ところが! フィーリンさんはいいのですが、
アレクサンドロワさんが安定しない!(T_T)
さすがに後半は帳尻を合わせてきましたが、
彼女の良い姿を知ってるだけに、
あれをブラボーされても私だったら嬉しくないだろうなあ。

彼女に限らず、ここまでのほぼ全員が、
どうもいまひとつ覇気に乏しいのです。
前日に宴会でもあって二日酔い?
それとも時差ぼけが抜けないのだろうか、
というくらいキレがないのです。

☆「パリの炎」

あーあ、ボリショイの完敗かぁ、と思ったところ、
ラスト、オシポワさんとワシーリエフさんが魅せてくれました!(^O^)

オシポワさんといえば、昨年のボリショイ公演では、
04年卒業の新人とは思えぬ舞台が評判でしたが、
どこかの誰かと違い、着実にパワーアップしてました。

そして相方のワシリーエフさんは、なんと06年(!)卒業。
若い時の熊川さんを彷彿させる、弾けんばかりの躍動感!
調子に乗りすぎて怪我するなよ〜、
とはらはらするくらい、見事なパフォーマンス。

小柄なので相手を選びそうですが、
オシポワさんとなら釣り合いそうなので、
ふたりで次代のボリショイ看板ペアを目指してほしいな。(^^)

世界で1、2を競うバレエ団が、期待の新人! と謳うからには、
やはりこのくらいの実力者を連れてこないと。


★第2部 マリインスキー・チーム

昨夜はマリインスキー圧勝かと思ったら、
意外とそうでもありませんでした。
...ていうか、ロパさんとコルプさんがいなかったら、
ボリショイの勝ちだなー...って、
それでいいのか、マリインスキー!?

☆「薔薇の精」

ボリショイの先陣二人は、まあまあそれなり、前座だしね、
さあこれからが本番! という感じでしたが、
マリインスキーの場合、3Aの試合に
いきなり調整と称して好調のメジャーリーガーを投入したようなもの。
ファンとしては嬉しいけれど、ロパさんの緊急登板といい、
ちょっとずるいのでは。(^O^)

都庭園で見たルグリさんの薔薇精も存在感たっぷりでしたが、
生で見るコルプさんの薔薇精は、もう妖しすぎます。(^O^)

一方、フリル一杯の衣装とくるくるウィッグのゴールプさん、
アンティーク・ドールのようでした。
前半の夢うつつ状態と、終盤の覚醒状態で、
きっちり踊りに区別を付けていましたが、
前半の演技はもう一考かな。

☆「サタネラ」PDD

2番手は2002年と2003年に入団した若手コンビ。
オブラスツォーワさん、可愛いし、
これからにも期待したくなりますが、
現状はまだまだ不安定。

シクリャローフ君も似たりよったりで、
ふたりとも敢えて海外公演に連れてくるほどだろうか、
ほかにもっといるんじゃない? いないとしたら、
そのほうが問題だよ、というレベルですが、
憎めないキャラクターが彼の強み。

踊りからは一所懸命さが伝わってきますし、
少しずつではあるけれど、前回よりも上達してる。
(みかん箱は卒業してました。(^O^))
分不相応な扱いもなく、ファンの声援も理解の範囲。
まだ積極的に見たくはないけど、舞台に居たら、
つい「がんばれよ〜」と応援したくなります。

でも世代的には、今回の公演では、
オシポワさん、ワシーリエフ君のカウンター・パートのはず。
力量に差がありすぎるというのも、まずいんじゃないかなあ。
バレエ団全体の力を疑ってしまう。

☆「3つのグノシエンヌ」

プログラムによると、1982年の作品を、
ロパさんのために改訂した作品で、
昨年、ガラ・コンサートで初演されたばかりとのこと。

幾何学的な動きを多用したコンテで、
本来私の苦手とする振付ですが、
不覚にも「美しい」と感じてしまいました。f(^^;)

相方のコズロフさんは、2000年のキエフ卒業生で、
今年7月、マリインスキーに移籍したばかり。
上背もあり、鍛えた筋肉も美しい体躯。
この作品に関しては、良くロパさんの相手を務めてました。
ハンサムなので、今後は古典の主役も期待できそうです。
あるいは敵役か。迫力ありそう。(^^)

☆「エスメラルダ」ディアナとアクテオンのPDD

1999年卒業のオスモールキナさんは、
ファースト・ソリストとプリンシパルの端境期にいる人、
3期年下のロブーヒンさんはコンテ要員ですが、
ふたりともそれなりに上手です。

けど、直前のふたりのオーラがまだ周囲に充満してて、
舞台に入り込めないんです!(>_<)
せめて幕間の時間を長めにとらないと。

コルプさんの薔薇で観客の心を鷲掴みし、
次いで好感度の高い若手をもってきて、
若い衆です、よろしくね、とやり、
見劣りする技術をロパさんでカバー...
ここまでは良かったのですが、
ロパさんとレベルの違いが有り過ぎて、
次のふたりが霞んでしまいました。

☆「グラン・パ・クラシック」

ロパさん、コルプさんの次に楽しみにしていた、
ダンサーと演目です。

テリョーシキナさんは、力技はいいんだけど、まだ雑。
不調でもアレクサンドロワさんの方が上かな。
こういうところにプリンシパルと
ファースト・ソリストの差が出るのでしょう。
でも、いいもの持ってる。
目指せ、マリインスキーのアレクサンドロワ!(^O^)

コルサコフさんも、「白鳥」映像の時ほど
迫力はありませんでしたが、それでも足捌きが綺麗。
(到着から中一日ではダメなのかな)

余談ですが、ガラ続きで同じ演目を見比べていると、
マールイのシェスタコワさん、上手いんだな〜、と改めて実感。
ミリツェワさんも十分世界で通用するな。(^_^)
...二人とも移籍しないでね。(-_-)

☆「チャイパド」

車の楽しみ方にもいろいろあるように、
バレエの楽しみ方も、他人に迷惑をかけなければ、
なんでもアリだと思うので、
人の趣味をとやかくいうつもりはないですが、
「なーんだ、こんな程度でいいのか」
と手を抜かれるのは嫌なので、
どうかもう少し冷静に観てくださいね。

ソーモアさんを見ていたら、
ワイン絡みのことを思い出しました。

いろいろ試していると、テーブル・ワインの中には、
あまりにも不味く、どうしても飲めないものもあって、
料理にも転用したくないほど酷いのは、残念ながら捨てます。

でも、流しに捨てていると、
ふわっと良い芳香成分が漂ってくることがあるんです。
それをかぐと、もしかしたら、
瓶詰めしたときは美味しいワインだったのかもしれないな、
日本へ運ぶ時、あるいは保管が悪くて痛んでしまったのかな、
と悲しくなります。

ファジェーエフさんは頑張ってました。
彼がもったいない。

☆「瀕死の白鳥」

やはり、ロパさんは古典が観たいです。(*^^*)

☆「ドンキ」3幕PDD

ノーヴィコワさんは2002年入団、
(パンフの写真、CGみたいだ...)
サラファーノフ君は2000年キエフ卒業...えっ!?
彼、プリンシパルだったの? てっきりファーストごにょごにょ。

頑張っていたけれど、まだトリを務める器ではないなあ。
ボリショイのふたりを意識していたのだろうけど、
あちらの方がインパクトありました。
加えてロパさんの後でしょ。作戦ミスだよ。
しかも今年の日本はドンキ豊作の年ですからねぇ。
フィナーレがあって良かった...。

       *     *     *

なんだかんだ書きましたが、
彼ら彼女らが、本来は言うに値する力を持ち、
言われる立場にあるからです。
そして、終わってみれば、あっという間の公演でした。

昨日と今日で、体調は戻せたでしょうか。
みんなが本来の実力を発揮してくれたら...。

この週末が楽しみです。(^^)
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