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2024年05月01日03:20

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いくら“アニメ映画”だからと言っても、“戦争”というものを扱う場合はもっと“世の中”を見据えて欲しい。渡邉こと乃監督「金の国 水の国」(2023)。

岩本ナオによる日本の漫画だそうですが、僕はこの長編アニメを見てしまったから、今後も絶対に手を出すことはないと考えます。どういう内容かは、例によって“あの”データベースから引用します。

>激しく敵対する隣同士の2つの国を舞台に、それぞれの国の思惑に巻き込まれ偽りの夫婦を演じることになった男女が、両国の戦争を回避しようと奔走する中で、すれ違いながら繰り広げる恋の行方を心温まるタッチで綴る。

いくら架空の物語であっても、何年も戦争を繰り広げる2つの国というものを、ここまで形骸的な白々しさで描いていいものか?と僕は憤慨しました。そして何年も敵対した両国が和解のため、友好のしるしに花嫁と花婿を送り合うことになるが、片や犬を送り反対側は猫を送るのです。この寓話に説得力が皆無なのです。

とはいうものの先日「鹿の王 ユナと約束の旅」という、妙に深刻ぶった寓話アニメを見てしまったから、それに比べるとこちらの第93王女(この設定が既にバカバカしいけど)のサーラという王女のキャラは、ほんわかとして“マシ”に思えたのでした。でも、そう思った僕がバカだったというだけの話。

さらにこの両国には、腹に一物あるようなキャラばかり登場するのですが、そんな悪者キャラたちの発想がつまらなくて、いくらファンタジーだとは言えバカバカしくてつきあいきれません。それなのにドタバタ活劇部分だけ、結構派手に展開する(例えば、そびえ立つ城に秘密の通路が突如現れる、など)のです。勝手にしろ、と思いました。

つまり主人公が高所恐怖症だとか、ご都合主義的に持ち出すな、と僕は思うのです。あるいは、悪漢キャラに見えた連中が、実は両国の平和を願っていたとか、とことんテキトーなご都合主義ばかり。そんな漫画が“2016年「このマンガがすごい!オンナ編1位」を受賞した”(by Wiki)そうですが、こりゃアニメ化の途中で換骨奪胎されたに違いない。知らんけどね。

そして毎回長編アニメのときに言ってますが、アニメという素材は実写に比べて展開が早いから、90分が2時間もの実写映画に感じられる。つまり116分という尺は、3時間近くに思えるのです。それだけの尺を持続させる内容が伴わない場合は、ダレるだけ。僕のような老人は、フリッツ・ラング監督の「大いなる神秘」二部作と同程度に感じました。

いや、こう書くと、下手に映画の固有名詞だけを知っている若者たちには、僕が今回のアニメを“映画史に残る大作と同等に評価している”と混乱させるかな?←かまへん、かまへん、勝手に誤解しとけ。無知は鞭となって、大いなるしっぺ返しを下すであろう。それを期待しますわ。

しかしまぁ何ですねぇ、日本のテレビ局が製作委員会の中心となって、アメリカのメジャー映画会社を巻き込んでこんな長編アニメを作るって、カネの使い方を知らない人間が世の中には多いんですねぇ。って僕なんか、そんな大金を手にしたことがないから、バカ高いスイーツを食べるために行列に並ぶこともないし、そういう意味では幸せです。

それとこの映画、imdbとリンクしていました。さすがワーナー・ブラザースが製作に噛んでいるだけあるなぁ。そしてそのページに行くと、Awardsという項目があります。なんでも2024年度のMovie Music UK Awardsで、Score of the Yearにノミネートされたようです。強力な制作陣のゴリ押しか?と妬んでしまいますね。

とはいうものの、僕はこの映画に何の恨みもありません。単純に見てしまった自分が悪いだけ。皆さんも僕の愚行を他山の石として、こういう過ちを犯さないようにね。失った時間は、絶対に戻ってきませんから。←たとえ103歳まで生きながらえても、この116分は“無駄”でしかないのです。
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