マスクをはずして深呼吸しながら庭園を散策しました。
カール・アンドレ
彫刻と詩、その間
@DIC川村記念美術館
韓国・大邱美術館「2023 Umi Hall Project Carl Andre」(2023年9月〜12月)の国際巡回展です。
ご本人はこの展覧会の準備期間
1月24日に亡くなっています。
2階の企画展示室に上がるとサイド奥の窓際が入口になっていました。
受付手前に最初の詩作品が。
全面ガラスに白い文字で書かれていますので
したたるような緑に浮き上がってそれはそれは美しい。
さらにそれを読み上げるアーティスト自身の声。
彫刻作品は金属、石を加工し、床に直置きするスタイルで
タイルのような同型のものを敷き詰めるのが特徴です。
驚くことに、一部はその上を歩くことができました。
固定されていないので微かに動き、微かにその音がします。
木の作品においても、同じ形の直方体に切り揃えられた木材を規則正しく並べます。
(大きさは″アンドレが運べる大きさ″になっています)
生きた木ですので時間と共に割れが生じるのも作品のうち。
展示室の壁を隔てた作品もあるのには驚きました。
そして詩。
アンドレの詩が展示されるのは珍しいそうです。
◆ユカタン
A4の用紙に家庭用タイプライターで打たれた掌大の文字列は
途中スペースを入れたり改行したり
同じ言葉を繰り返したりと
26のバリエーションで展開されます。
まるでかな書道の「ちらし書き」のよう。
これを「視覚詩」(コンクリートポエトリー)というとは後で知りました。
クロストーク
梅津元(芸術学)× 林卓行(美術批評)
を聴きました。
生地クインシーという工業都市(クインシー・ブックという写真集も出ています)から受けている影響。網のフェンス。
ユニットの反復、作品の上を歩かせて観客を参加させるという特徴。
アフターアンドレと呼ばれる影響を受けた作家は、美術本流でないアーティストたちにむしろ多いようであること…
6月30日まで。
https://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition/
*****
常設展示では
展示室201Bで
スタジオを共有する友人であったフランク・ステラの《ブラック・シリーズ》が20点(アンドレの献辞つき)ずらりと並ぶほか
展示室110で
20世紀の(金属)彫刻
が関連展示されていました。
オーギュスト・ロダン
エミール=アントワーヌ・ブールデル
コンスタンティン・ブランクーシ
デイヴィッド・スミス
堀内正和
アレクサンダー・カルダー
サイ・トゥオンブリー
個人的に印象的だったのは
ジム・ダイン《ブーケ》。
頭部のない50cm高のミロのヴィーナスが1ダースほど集まっている集合ブロンズ。
各々体を捻り片足を踏み出したお馴染みの姿ながら
粗削りで首から肩の箆けずりも残っていて。
軽やかな机状の台も作品の一部のようでした。
その他
ジョセフ・コーネル作品は
・鳩小屋アメリカーナ(箱)
・占星術の娘カシオペア(コラージュ)
がでています。
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