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2023年09月25日06:32

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山口晃

サンサシオンとは「感覚」を意味するフランス語で、セザンヌが制作を語る話によく出てきます。(山口晃 「展覧会に寄せて」 より)

ここへきて やむに止まれぬサンサシオン
@アーティゾン美術館
フォト




毎回収蔵作品と現代アーティストのコラボが面白いアーティゾンのジャムセッション。
山口晃の登場です。

古今東西古典の造形も深く、なにより"達者"なかた。
飄々としたトークや漫画も面白く
今回も楽しみにしていきました。

山口が選んだ収蔵品は
◆セザンヌ サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール
◆雪舟 四季山水図

…って、正統派ど真中じゃないですか。

でも同時に、有名すぎて自分としては鑑賞表現に困る作品たちです。

それを山口流に沢山のキーワードからかみ砕く解説はとても有難いものでした。

例えばセザンヌなら
・多視点でなく多視線
・とぎれた木の幹や枝の輪郭線は一気に引いていないから
・生えてゆく縦方向でなく回り込む
・若いときと書き方がどう変わっているか

雪舟なら
・再現性/緻密さ/色彩 の他に何をみるか
・(墨絵のように)色を抑えると見る者の感度が上がる
・「精神性」という言葉は使い勝手がよいが、使ったとたんに作品に通ずる道が行き止まりになる 等々。

そしてセザンヌを模写しちゃったり(圧倒的未完成)
雪舟の作品をジオラマにしちゃったり。

もちろん、都市を俯瞰する圧倒的に詳細な現代洛中洛外風の自作も沢山。
(ちなみに関連収蔵作品として4階に洛中洛外図屏風が出ているのですが、画面上が東になっているように思われました)

そして。
東京バラリンピックのアートポスター
《馬からヤを射る》については

依頼を受けるか否かで大変悩まれた経過を明らかにされており
フォト


作品の細部処々に込められた意味を示されていました。
フォト



11月19日まで。
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/sensation/



同時開催の
創造の現場
〜映画と写真による芸術家の記録〜
は16本の短編映像を見ると2時間半かかります、
と注意書が…また来なければ。
最近のアーティゾンは、新幹線の
時間合わせに見るところではなくなりました。

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