「怪談実話系７ 書き下ろし怪談文芸競作集」
恒川幸太郎・他
幽編集部（編）
メディアファクトリー（MF文庫）
都会で、山村で、そして東北の地やアジアの辺境で。
平穏に暮らす人々の日常に、突如として降りかかる怪異の数々。
十名の作家が腕をふるう、書き下ろし『実話系』怪談競作集。
実話怪談に見せかけた創作怪談、というテーマの書き下ろしアンソロジー。
どの作家さんも自身の得意分野がきらりと光るものばかりで、一概に怪談といってもジャンルがあるのだなと分かって面白い。
恒川幸太郎「布団窟」
相変わらずのノスタルジーと美の融合が流石。
朱野帰子「必ず参上」
猫と怪談は切っても切れないテーマだけれど、ここまでハードなものも珍しい。
ぜんぜんかわいくない。
伊藤三巳華「怪談ラブレター」
こちらは漫画。普段実話系で見慣れた作家さんだと、説得力が三倍増し。
黒木あるじ「椎名葉草・続 〜幕末の絵師・村下成安の日記より〜」
大好き。
メタに行くもよし、完全擬態するもよし。
テーマの面白さを堪能できる一冊でした。
巻末の投稿企画も高レベル。
序文と解説は東雅夫氏。
（古）
ログインしてコメントを確認・投稿する