■ストア・コンパリゾン■
コーナン三鷹店に着いた。
レジは凄い長蛇の列。ひとつのレジに25人はいるだろうか。ああ、都外に出られない都民たちの群れかと思った。
確かにクルマは多摩、練馬、杉並、世田谷、品川ばかりだ。
しかしながら詳細に見てみると、レジは一台しか稼働していなかったりしている。
コーナンの金城湯池にあたる大阪のコーナンには行ったことがないが、大阪でも客を長蛇の列を作り、延々と平気の平左で長い時間待たせるのがコーナンのやり方なのだろうか。
実はこのお店は以前もホームセンターだった。地元三鷹市が本社だった、Jマートというホームセンター。この店に勤めていた人の話では、Jマート時代は4人以上並んでいただけで、客がクレームをつけた程なのだ。おそらくあの時クレームをつけた客たちは
「これならばJマートの方がまだ良かった」
と思っているに違いない。
が、後の祭りである。
高度なサービス、高付加価値店舗は原価を下げにくい。それを実現するには人を張り付けねばならないからだ。欧米人が日本に来て「おもてなしのレベルが凄い」と云って感心するが、その一方で欧米では生活必需品の食品も驚くほど安い。例えば日本では1Lの牛乳が198円ぐらいだが、現地では100円未満だ。パンも日本では食パンが一斤6枚切り178円ぐらいだが、現地では120円ぐらいだ。こんなに安ければ消費税が20%でも生活は出来てしまうだろう。
日本人はもう少しある程度の不便さを受け容れて、やれることは自分でやるというスタンスでいないと、結果的に自分のクビを締めることになるかもしれない。三鷹のこの事例、地域のお客は地元の店にクレームをつけ、挙句の果てには自分たちが望まない店を招いてしまったのである。
しかもJマートから受け継いだコーナンのこの建物は1997年当時の大店法に基づいている。今の大店法に従って、店舗を作り替えようと思ったら、500台は一階に駐車場を確保しろと指摘されること請け合いだ。コーナンが巨費をはたいて、一から新店を作るとは考えられず、となるとおそらく使い物にならなくなったらコーナンは容赦なくこの建物を捨てて、他の店舗に移るのだろう。コーナンの本部は大阪だ。所詮多摩の消費者のことなんぞ、考える訳がなかろう。
地域の人達が買い物難民になろうが、当のコーナンはこれがコーナンのやり方ですから、と言い張るに違いない。それこそ
「コーナンだったら、こうなんだ」
という捨て台詞を吐いて早々に店じまいするのかもしれない。
三鷹のここの消費者はホームセンターについては「買い物難民」になる可能性が高い。何しろここで働いていた件の元スタッフはネジ、釘一本買うのも接客しないと買えないお客ばかりだったというほどだ。
Jマートは当時本社が三鷹だったから、地域の消費者を大事にし、研究し、わがままも聞き、色々と考えてくれただろう。何しろここのお店は12フィート(約3654mm)の木材を持ち帰る際も「南京縛り」でロープを掛けてくれる。それも高校生の16歳のアルバイトの男の子すら、頼めばやってくれた。
ここまでホームセンターでやってくれるお店、私は知らない。他のホームセンターではこんなことをして、荷崩れしたら、大事になるので、絶対に受けないからだ。
何でも声高にイチャモンをつけ、時には「論破王」ことひろゆき氏のように店員をやり込めるのは確かに格好いいかもしれないが、結果的にクビを締めることになるのを忘れてはならない。
コーナン三鷹店とJマート三鷹店を比較してみて、つくづくそう思った。
カインズやジョイフル本田、今は無きJマートは何時間でもいられるのに、コーナンはそうは思えない。これはカインズ、ジョイフル本田、Jマートがそれぞれ関東甲信の出自だからだろうか(カインズ:埼玉県本庄市、ジョイフル本田:茨城県土浦市、Jマート:東京都三鷹市(現在は綿半の傘下なので、長野県長野市))。
金城湯池の大阪のコーナンはそんなことはない、何時間いても楽しいお店と信じたいところだ。
この日はクルマのガラスクリーナー、ホイールクリーナーを買おうと思ったのだが、あの長蛇の列を見て、何も買わなかった。三鷹のコーナンには批判的なことしか見えなかったが、感心したのは、自販機がUCCだったこと。本部が大阪なだけに、近畿の会社は大事にするようだ。そういえばペンキの売り場もアサヒペンの取り扱いをしていた。アサヒペンも大阪だ。UCCの本社は神戸である。関東では珍しいので、水分補給に缶コーヒーを頂いた。UCCは甘い缶コーヒーが多いが、甘さに嫌味が無いので個人的には好きな方だ。
次回は三鷹市内で昔からある神社を経由し、伏見神社に向かいます。最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。
(続く)
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