mixiユーザー(id:2391655)

2021年04月25日09:05

23 view

神宮スズメの独り言2021春〜23〜一時お別れ、神宮

緊急事態宣言が政府の発表通り5月11日に解除されればもちろんいいが、もし延長され、それが5月いっぱいとなれば今シーズンにおいて観戦できる試合はこれが最後だ。そのような声が球場内から聞こえてくる。幸い今日はいいお天気。せめていい試合を見たい。これが多くの六大学ファンの気持ちだっただろう。

そこに登場する明治は先週の東大戦で毎回得点試合を達成している。いくら相手が東大だとは言え、これが長い東京六大学野球の歴史の中で30年ぶり3回目の記録だと言えばその偉大さがわかるというものだ。明治は東大との1回戦の8回は無安打に終わったが9回から2回戦の8回までの9イニング連続安打中である。打線好調の明治。

その相手である慶應は開幕戦の法政との1回戦で無安打試合をやられている。四球で出た走者が内野ゴロの間に生還したためノーランとはならなかったがそれでもノーヒッターを三浦投手にやられたという記録は残る。2回戦こそ快勝したもののここで明治に敗れれば3試合にして勝ち点2をすでに失うこととなる。負けられない1戦。

1回の攻防はともに似ていた。慶應の先発は森田君、先攻の明治は2死から丸山君が安打で出塁すると盗塁に失敗。その裏の慶應も明治の先発竹田君から2死後安打を放つ。そこで4番の正木君は四球。長距離打者の正木君に対して慎重になりすぎたようだった。そして続く下山君はライト前に運び慶應が先制点を挙げる。

しかし、明治もすぐさま2回表に2本の安打で1・3塁とすると併殺崩れの間に1点をいれ同点。竹田君は調子をあげ3回4回と慶應を無安打に抑える中、4回は植田君の本塁打。5回は陶山君の2塁打でそれぞれ1点ずつを加点し試合は明治ペース。

だが慶應は5回の裏、2死から渡部遼人君がライトスタンドにライナーで叩き込んだ。3−2。これが効いた。

グランド整備が終わって明治は2死1・2塁のチャンスを逃すとその裏、慶應は正木君の今日2つ目の四球で無死1塁とすると下山君は初球を打ってライト前。竹田君はもうバントと決め込んでの投球だったのだろうか。しかし竹田君はその後の3塁寄りの送りバントに対して素晴らしいフィールディングと見せ3塁封殺。送球は2塁寄りに逸れながらも3塁手は身体を伸ばして捕球。それでも間一髪のプレーだった。

これで明治がまた流れを呼び寄せたかと思われたが、続く橋本典之君は四球で満塁。そこで慶應の主将福井君は前進守備の外野陣をオーバーする2塁打で2点を入れ逆転に成功。さらに代打の北村君の1塁ゴロで明治はバックホームしたがセーフとなる野選。そしてボークでさらに1点を追加して6−3とリードした。竹田君から逆転2塁打を打った福井君は大阪桐蔭の出身。そして竹田君は履正社。彼らはくしくも4年前のセンバツ決勝で対戦している。この試合で福井君は無安打に抑えられたが、3−0から8回に同点に追いついたあとの9回表に竹田君は打ち込まれ5点を失って敗れている。

まさかその時の記憶がよぎったわけではあるまいが、大阪桐蔭の底力を見せつけられた試合だった。あの試合に出ていた選手は立教で1年生からレギュラーを張る山田君や宮崎君。早稲田でも1年時には全試合出場した中川君に徳山君・岩本君のバッテリーが六大学にはいる。さらに言えば泉口君は青山の主将、坂之下君は関大の主将。藤原・根尾はプロ入りした。

もちろん大学と高校とが単純比較はできないものの慶應はあの時の大阪桐蔭ほどの迫力あるラインナップではない。確かに福井君の2塁打で逆転はされたが、その後の2点は打ち込まれたものではない。これは明治が8回に篠原君の今季3号となる2ランで1点差に迫ったから言っているわけではない。

実力伯仲の六大学。昨シーズン優勝の早稲田が苦戦し4位だった立教が勝利パターンを確立しつつある。ワンプレーが勝敗を分けるこのリーグでは1敗してもそのあと2連勝すれば勝ち点が取れたこれまでのルールとは異なり、負ければ勝ち点1をすぐに失い、引き分けに持ち込まれればすぐさま0.5の勝ち点が手に入らない。

高校野球の面白さは負けたら終わりのトーナメントという仕組みにもより一投一打に対する気持ちの入り方が違うからだ。決して野球のレベルだけの問題ではない。

明治はこの試合でも毎回安打を記録した。これで18イニング連続安打である。相変わらず打線好調。だが、最後は打たれながらも粘り強い慶應投手陣から逆転はできなかった。

試合が終わって球場を後にする中、次はいつ会えますかねぇという声があちこちから聞こえた。六大学は野球の応援もさることながら、ここで学生時代の友人と会うことに価値観を見出している人もたくさんいる。

明日から無観客。残念だが、これからの試合も静かに見守っていきたいと思う。



2021年4月24日 東京六大学野球春季リーグ戦 第3節1回戦(於 明治神宮野球場)
明治
010 110 020 = 5
100 014 00x = 6
慶應義塾

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年04月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930