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2020年08月26日06:30

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がり勉高校生って、こんなにも考えが至らない人種でしたっけ? オリヴィア・ワイルド監督「 ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」(2019)。

毎度おなじみの原題の話で失礼しやす。ブックは本で、スマートは賢いですから、よく勉強していい大学へ進学する“頭のいい生徒”が主役でした。それはそれで問題ないのですが、がり勉人間というものが、ここまで考えの至らない人種だったのか?と呆れてしまう映画でした。

監督はオリビア・ワイルド(写真3)。ご自分は“まだ高校生の母親って歳じゃないわよ”と考えたらしく出てきません。だからそれをリサ・クードロー先輩(?)にお願いしてます。高校生を演じるのが、ケイトリン・デヴァー とビーニー・フェルドスタインでした。デヴァーは、「デトロイト」と「ショート・ターム」でしたね。フェルドスタインは「レディ・バード」に出ていたジョナ・ヒルの妹でした。

二人は高校生の三年間を一心不乱に勉強し、モリー(ビーニー・フェルドスタイン)はイェール大学に合格し卒業生代表として答辞を読むことが決まっています。親友のエイミー(ケイトリン・デヴァー)もコロンビア大学へ進学する予定ですが、2年前にカミングアウトしていてあこがれの女生徒から見向きもされないでいる。

という滑り出しはよかったんですが、がり勉=世間知らずという化石のようなクリシェでがっかりしまった。そんな自分に気づくのが卒業前夜のパーティーだという、極端な設定が笑えないし、サタデーナイト・ライブのノリで笑わせる映画じゃないんです。“もちっと真面目に”という製作態度が間違えていると思います。

つまり監督のオリビア・ワイルドが、僕が気に入っている「サード・パーソン」で見せた、バスローブの下は全裸でリーアム・ニーソンの部屋を訪ねるというアイ・キャンデーではなく、「リチャード・ジュエル」であくどい記事を書きながら、キャシー・ベイツの演説に涙するという“単純な善人”だったみたい。

僕はたまたま中学高校一貫の進学校で6年を過ごし、そこのトップ争いには入れませんでしたが、そこそこの大学へは進学できました。でも、僕はテキトーに映画ばかり見て進学したわけではありません。それなりに勉強していたと記憶します。そして一方では、がり勉の連中だって、ここまで世間知らずでエスカレーターに乗っていたわけじゃない。

僕の学校では進学詰め込み教育に反対してハンドボール部を設立し、全国大会に出た人間もいました(その一人は参議院議員になりました)。そして僕は川辺和夫監督の日活映画「非行少年」を見て、受験勉強に対する疑問を卒業文集に書きました。←これは編集担当の友人が支持してくれたおかけで教師の反対を押し切って掲載されたそうです。そんなこんなですが、結構本気で、実際まじめでした。

なのにこの映画の同級生たちは、遊びほうけていた連中もそこそこ進学している(とモリーとエイミーには見えていた)と描かれるわけです。このノリが、セス・ローゲンのように軽ければ問題にしないし、ケビン・スミスの鋭さがあれば万々歳なのですが、そのいずれでもありませんでした。オリビア・ワイルドの初監督作だ、と勢い込んで劇場に駆けつけたせいかもしれません。がっかりして舟を漕いでしまいました。

だって校長がジェイソン・サダイキスで、副業にウーバー・タクシーやってんですよ。それをもっと笑って爆発させるようにもっていってよ。何でもできちゃう金持ちの同級生というのも、なんかお約束でつまらないし。テレビ放送かDVDレンタルを待てばよかったなぁ。
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