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2019年10月19日14:41

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Yaris Is Back

■「ヤリス」に改称、来年発売=トヨタの「ヴィッツ」
(時事通信社 - 10月16日 17:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5828306

■名前には苦労したヴィッツとヤリス■

初代ヴィッツが登場して実に20年が過ぎようとしている。ご存じの通り、欧州ではヤリスという名で売られていた。では日本でもヤリスにすれば良いのでは、と思いがちだが、当時「ヤリマン」という言葉が流行った。

 「免許取りたての女性が乗る可能性が高いクルマにヤリマンという言葉を想起させる車名は好ましくない」

 という意見が大勢を占め、候補に挙がっていたヴィッツになった。

では欧州仕様をヴィッツにすれば良いではないかと思いたくなるが、こちらも簡単にはいかなかった。

 当時、韓国の自動車メーカーのヒョンデ(現代)にゲッツ(日本名・TB)というクルマがあった。しかもヴィッツと同じBセグメント(コンパクト部門)。

 ヴィッツとゲッツ。

 響きが似ている・・・。

 ということでヴィッツにならなかったという経緯がある。

 しかしながらあれから20年ほど経ち、トヨタもWRC(世界ラリー選手権)でヤリスという名も知られてきた。ブランドイメージを日本本国でも定着させるには商売上ヤリスの方が良い。ということで、ヤリスで統一されることになったのである。

 とはいえ20年も親しんだ名を捨てるのは少々勿体ない気もしなくはないが。

■どんなに栄えている家も3代でつぶれる、を実践したヴィッツ■

多くの人が耳にしたことがあると思う。初代が死ぬような思いをして創り上げた家、二代目はそれに胡坐をかく、フリーライダー、三代目は遺産を食いつぶし、最晩年はそれこそふんだくられるだけで没落する。

ヴィッツもそれを実践してしまった感がある。特に三代目は初期型はRSもFも乗ったから言えることだが、それはひどいものだった。新しい提案が何一つなかった。欧州ではハイブリッドがあるのを多くの人はご存じだと思うが、日本では登場当初はレシプロエンジンだけ。このあたり実にラインナップも何を売りたいのかよくわからない。

仕方なくアクアを買った人も少なくないだろう。

ならばレシプロエンジン専属車種にするのかと思えば、欧州で高評価で一時はカーオブザイヤーにノミネートされたヤリスの1.4Lのディーゼルーターボが無い。トヨタとしては三代目が出て、2017年からのWRC参戦が決まった時点でいつヴィッツを終わりにするか考えていたに違いない。



■ヒエラルキーを叩き壊す覚悟が出来た■

三代目のヴィッツとカローラ・アクシオは実はフロアパネル、シャシなどは共有していた。ぶっちゃけてカローラはBセグメントに格下げされた。

初代の成功がトヨタの根のクルマと言っても良いカローラを食い散らかしかねないことに危機感を覚えたからである。動力性能を比べてみよう。以下、ゼロヨン(0-400mタイム)。

 初代の1.5RS:15.7〜16.5s アルテッツァ、セリカ、86の下位のモデルと同等。

 ノーマルの1.3F:18.3〜18.8s カローラの1.5Lセダンと同等。

 これならば確かにわざわざ上のクラスを買う意味は薄れてくる。しかも当時ヴィッツRSが155万円、1.3のFは115万円程度で買えたのだ。

 今の軽自動車の価格よりも安かった。

上の車種を食い散らかさないようにするのはいかにもトヨタらしい。しかしおかげでヴィッツの限界を自ら作ってしまった事も確かである。2代目はクオリティこそ高かったが、全グレードで50〜100kgも重たくなってしまった。3代目は2代目の反省から、サイズこそアップしたが、車重は下げられた。

しかしカローラに気を遣うあまり、新しいエンジンは3代目の、ダイハツ製の1NRエンジンのみ。スズキ・スイフト、マツダ・デミオなどの台頭を許した。それでも命脈を保ったのは度重なるカイゼンと強い営業力、そしてライバルのホンダ・フィットの5度ものリコール、ニッサン・マーチはタイ生産で低いクオリティになってしまうといった、フィット、マーチのオウンゴールに助けられたからに他ならない。

カローラが愈々変わり、ヒエラルキーとは無縁なクラスレス的なクルマになったことで、ヴィッツことヤリスも大きく変わることが出来たのである。ヒエラルキーをぶち壊す覚悟が出来たといっても良い。

実際、マークIIの後釜として10(X)代目マークIIとして出たマークXは今年いっぱいで終わる。後は在庫販売である。これが無くなるのはちょっと寂しい気もするが、マークXすら整理の対象になるのだから、余程の覚悟である。

■新エンジン登場■

気になるスペックは明らかにされていない。

スリーサイズは現行型とほぼ同等。全幅は1695mm、全長は現行型と同寸、全高は50mmほど下げられたと聞く。ホイールベースは40mm拡大。代を追うごとに大きくなりがちだが、この姿勢は立派だと思う。しかも室内のサイズは却って広くなったという。ホイールベースが拡大されたことが大きいだろう。

デザインは初代のように固まり感を強調したもの。「黒豆」をモチーフにしたという。

エンジンも刷新された。ハイブリッドは何と1.5Lの3気筒である。1.5Lの3気筒のノーマル版もある。また専らビジネスユースかシティコミューター向けだろうが、1Lのリーンバーン(希薄燃焼)が用意されるという。

価格は世界戦略車ということで上昇は最小限に留まるとのこと。ただ現行型も既に結構良いお値段だ。ヴィッツの1Lが他のメーカーの1.2Lとか1.3Lの中位グレードと同等なのだ。その通りであれば大変ありがたいことである。

興味のある人は10月24日から開催される東京モーターショーへ行くべきである。今や世界の主要都市で催されているので、昔ほど盛り上がりはないし、観客も少なくなってしまったが、だからこそじっくり見られるという良さもある。側聞したところではホンダ・フィットも今回は新型を出展するという。両方の違いを見るのも面白い。

※写真の白いヤリスはタイで発表されたものです。日本本国との違いを楽しんで頂ければと思います。


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