まるで舞台装置のような吹き抜けの廊下のような家や
地面から50cm持ち上がった木箱のような家。
そんな空間で人はどのように育つのでしょうか。
中山英之展
,and then
@TOTO GALLERY/MA
建築家の展覧会らしく、3階ギャラリーは模型が並んでいます。
ところが。
4階で上映されている映画が面白い。
できあがった建築のその後というか、実際に使われている様子を
撮影したものなのです。
もちろん建築家の建てたものですから一般的な建売住宅とは違います。
たとえば『弦と孤』。
模型をみただけでは単なるオーバルな建物のようですが
実際に使われている様子をみると。
壁に向かってつくりつけの机を並べている親子。
子供がたちあがって机の横にある5段ほどの階段をのぼって机の面にたつと
そこに別の部屋の入口がある。これは2階ではありません。
このように2階建ての大きさに10層の平面が重なっているのです。
たとえば『家と道』。
全く同じ形の二軒の家が表裏に2つ並んでいます。
間は私道というか小道。
だから2つの家の間を行き来するにはいちいち靴をはかないといけない。
しかし表の家になんと扉のようなものがあり、くるりと閉じると
道が閉じて家がつながる(ように見える)。
これは見ないとなにを言っているのかわからないだろうな。
『薬草園蒸留所』
なんて、建築より蒸留作業の映像のほうが興味深かったりして。
いや、平成バブルの負の遺産?である薬草園をリノベーションする
というプロジェクトでした。
全く違う毛色のものとしては『かみのいし』。
「庭石」があるなら「部屋石」があってもいい、という発想!?
岸政彦『断片なものの社会学』もヒントになっているそう。
部屋のあちこちに紙製の石がある風景はなかなかシュールです。
そのような6本の短い映像を毎時00分から約1時間かけて
連続上映しています。
無料。
8月4日まで。
https://jp.toto.com/gallerma/ex190523/index.htm
ログインしてコメントを確認・投稿する