先日、首都高の環状2号線(地下トンネル)を、
池袋方面から南へ向かっていた。
...280キロも出してないから。(笑)
混雑というほどではないが交通量はそこそこあり、
トラックを追い抜いたものの走行車線に隙間がないので、
仕方なくそのまま追い越し車線を走っていた。
私の前と後ろには乗用車がそれぞれ一台、という状況。
ほどなくして、
この先中央高速方面(4号線)への分岐、という標識が見えてくる。
ちなみに環状2号線から首都高4号線へ入るには、
追い越し車線側からさらに右へと枝分かれしていく。
標識が出たと思ったら、私の前を走る車の前へ、
走行車線を走っていたコンパクトカーが突然割り込んできた。
横入りされた前走車がブレーキを踏むほど、
近距離で強引な割り込みだった。一応ウインカーは出していたが、
点滅させるのとほぼ同時のアクションだったから意味ないし。
私は車間を空けていたので実害はなかったが、
客観的に見て、あの車線変更はNGだろう。
高速の分岐点の手前には、
短いながらも助走路(?)みたいなものがある。
前走車は右にウインカーを出し、助走路へ入りはじめるが、
その車の前を走っていた割り込みコンパクトカーが、
再びウインカーを点滅させたかと思うと、
助走路の中ほどから、またもや割り込もうとする。
さすがに前走車のドライバーも黙っておらず、
けたたましい警笛と怒りの連続パッシング攻撃。
原理主義正義厨どもは、
これでも煽る方が悪い、と言うのだろうか。(笑)
しかしコンパクトカーの悪行はそれで終わらなかった。
パッシングと警笛にびびったのか、
コンパクトカーはなんと、追い越し車線と助走路の境目に、
追い越し車線を半分以上塞いで停車してしまったのだ!
走行車線には相変わらず車列が続いているから、
追い越し車線を走行中の私は、
行く手を塞がれてしまったことになる。
もっともその時点ではまだ、焦りや危機感はなかった。
というのも最初の強引な割り込みを見て、
用心のため車間をさらに広げていたから、
私がそこを通過する頃には、
コンパクトカーもパッシング車をやり過ごし、
動き出しているだろうと思ったからだ。
だが目の右端にオレンジ色の点滅が見えると、
頭の中に警報が鳴り響く。
オレンジ色の点滅は、右のドアミラーに映った、
4号線に向かおうとしている後続車のウインカーだから、
ぐすぐずしているとコンパクトカーは、
助走路に入るタイミングを失ってしまう。
一瞬、不本意ではあるがこちらも助走路に入り、
4号線に向かうことを考えたが、
それまでのイレギュラーな挙動を考えると、
最悪のタイミングで動き出し、後続車も含めての3重衝突、
という事態も考えられる。
やむなく「早く行け!」と心の中で罵りながらアクセルを緩めるが、
コンパクトカーは動こうとしない。しかも間の悪いことに、
左の走行車線には観光バスの巨体がある。
といって助走路に入ろうにもすでにタイミングを失し、
減速したため助走路の後続車とは並走状態になってしまい、
右にも逃げ場がない。
ハイビームにしてコンパクトカーの動きを封じ、
後続車には悪いが緊急避難ということで、
強引に助走路へ入り4号線に向かう、
というのが正解だったようだが、後の祭りである。
(減速して左の車の後ろに付き、4号線に向かうというのは、
左の車のさらに後から来る車の情報がなかったので、
思いつかなかった)
左右を車に挟まれ、前方には停止した車という、
絵に描いたような危機的状況、どうしてくれよう。
幸い後方に車の姿はなく、
相棒の強力なブレーキなら余裕で止まれる距離だったから、
ブレーキ・ペダルを踏みかけるが、
高速道路での急停車は最悪の一手、
その場はしのげても後続車に追突される可能性が高い。
このまま後続車が来ないという保証はどこにもなく、
むしろ今の交通量を考えると「すぐに来る」と想定すべきだろう。
コンパクトカーまでの距離と自車の速度、
観光バスの速度、バスとその直後にいる車の間隔...
といった要素が同時に脳内をぐるぐる駆けめぐるが、
迷っている時間はなかった。
バスがコンパクトカーの脇を通り過ぎてすぐ、
その直後に滑り込むしかない。
同時に気をつけなければならないのは、
バスの後ろに続く車だ。
バスの後ろに入った時、車速が同じなら問題はないが、
こちらは減速してバスの通過を待たなければならない。
足りない車速は車線変更と同時に加速して補う必要がある。
咄嗟にウインカーを左に出し、観光バスぎりぎりに車体を寄せ、
タイミングを図りつつブレーキで速度を落とす。
バスの運転手はさすがプロだけあってこちらの意図を察し、
わずかではあるが車体を可能な限り左に寄せ、
巨体ゆえ加速は微々たるものであったが車速もアップしてくれる。
あとはバスに続く乗用車の運転手が、
危険を察知して減速し、
車間を空けてくれればいいのだが...。
最後はわずかに足りなさそうだったので、
一瞬ABSを効かせつつヒール&トウでシフトダウン、
バスのお尻ぎりぎりの間隔で走行車線に滑り込む。
ただし車体すべてを走行車線には入れず、
コンパクトカー側もすれすれですり抜ける。
これならバスの後ろの車が予想以上に近く、
さらに車速も速くて追いつかれたとしても、
2台が並走できるだけのスペースはあるから、
相手が左に寄せてくれれば追突される心配もない。
コンパクトカーをやり過ごすと、
右足をブレーキからアクセルに載せ替える。
トンネル内は暖かだが、夏場の煉獄よりはマシだったので、
相棒は轟然と加速を始める。空気密度の高い季節で助かった。
幸いバスの後ろの車の運転手もベテランだったようで、
減速しつつ左に寄せ、車間も空けてくれていたから、
シリアスな状況にはならずに済んだ。
ウインカーを点滅させ、加速しながらバスの右に出て、
周囲の車との間隔を広げる。
バスとその後ろの車の運転手さんが察しの良い人で助かった。
ご協力、感謝します。ありがとう。
長々と記したが、阿呆なコンパクトカーが停車してから、
その脇をすり抜けるまではほんの数秒で、
上記の状況を冷静に分析しながら行動したわけではない。
すべてのことが一瞬の判断で、あの時なぜそうしたのかを、
後から考えて理由付けしてみた、というのが本当のところ。
追い詰められた人間って、凄いな。(笑)
その後首都高で事故の報せもなかったから、
コンパクトカーも後続の車に追突されることなく、
無事立ち去ったと思われる。
思うにコンパクトカーの運転手は、車の運転に不慣れなのだろう。
今回のことを教訓としてくれるのなら、特に指弾はしないが、
状況判断の悪さは度が過ぎる。重々反省してほしいものだ。
「若葉マーク」級の稚拙な判断と運転だが、シールは張っていなかった。
若葉マークを付けていると恥ずかしいとか、意地悪をされるからと、
付けなかったり期間が過ぎると早々に外してしまう人が多いが、
その考えは改めた方がいい。
今の車は品質が向上し、最初から無茶しても大丈夫のようだが、
以前は3000キロまでは慣らし期間、
エンジンに負荷をかけないようにと言われた。
そのため新車を買った直後は、いつも若葉マークを張っていた。
その時の経験からすると、たしかに意地の悪い奴もいたが、
総じてみな親切だった。特にトラックやタクシー、バスの運転手など、
運転のプロたちは、自分も見習わなくては、というほど優しかった。
運転に自信のない人は、無意味なプライドは捨て、
運転期間に関係なく「若葉マーク」を付けよう。
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