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2018年07月03日08:37

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【バレエ】 東京バレエ団 「白鳥の湖」 (6月30日/7月1日短信)

東京バレエ団の公式サイトに、
https://www.nbs.or.jp/stages/2018/swan/index.html
次のような解説が載っている。


「ブルメイステル版「白鳥の湖」とは?

ロシアの振付家ブルメイステルによる、
世界的に成功を収めたドラマティックな演出版です(1953年初演)。
ブルメイステルはチャイコフスキーの原曲に立ち返り、ドラマ性を高め、
最大の見どころである第三幕では民族舞踊の踊り手が実は悪魔の手先だったという、
劇的な展開に変更しました。

1960年にはパリ・オペラ座バレエ団が「白鳥の湖」初演にこの版を採用。
ミラノ・スカラ座バレエ団のレパートリーにもなっています。」


パリオペやスカラ座もたしかに上演してはいるけれど、
(パリオペは今はヌレエフ版)
それよりも1953年に初演したのは、
モスクワ音楽劇場のバレエ団(ダンチェンコ)で、
同団は今でも保存している、ということの方が重要だろう。
(来日した時も必ず上演してくれる)

NBSはパリオペやスカラ座は呼んでも、
ダンチェンコはよそのプロモーターだからなぁ、
とあえて書いてみる。(笑)


以下は週末上野に通われた我が師の短信。
新国と東バには、そろそろまた足を運んでみようかな。


★土曜日
https://www.nbs.or.jp/publish/news/2018/06/630.html
(公式サイトの情報量や更新の早さは、KよりNBSの方が上だな。(笑))

今日の舞台、ぱろにも見せたかったなぁ。
ブルメイステル版は、
(版としては古いから、これを元にした昨今の新しい版と比べると)
ちょっともたつく演出だけど、
3幕のがキャラダンのアクセントの利かせ方がツボにはまった。
ロシアぽくて、こういうのが観たかったんだよ! とニンマリしてしまう。

伝田さんのスパニッシュはカッコいいし、絶妙なアクセントで踊ってくれるし、
いつもは快活なナポリターナも悪そうな目つきが良い。
ソリスト以外の4人もアクセントの付け方、溜め方がぴったりで見事だった。

チャルダッシュのアクセントも良いし、マズルカも良かった。
奈良さんの目力が威力を発揮。
アルバレスくん、以前エスパーダで観た時は止め方やアクセントが残念だったけど、
マズルカではしっかりとキャラダンをモノにしてた。
奈良さんのパートナー役として遜色ない迫力と存在感。
若いから、指導されて機会が与えられれば、どんどん変わっていくね。

開演前に、配役変更のアナウンスが。
「配布したキャスト表に変更が出ています。詳しくは劇場の貼り出しで確認してください」
それを聞いた近くの人、
「言ってくれないんだ、言ってよ!」
本当だよ…と思ってた。

プロローグが終わり、1幕が始まったら変更されたキャストが判明。
今日の道化は井福くんだったはずなのに、明日のはずの池本くんがいる。
ということは、玉突きでカトルの池本くんの代わりに他のダンサーが入ったということか。

池本くんの道化は期待に違わず最高。
軽やかで余裕があって、明るさと品の良さがある。


★日曜日
https://www.nbs.or.jp/publish/news/2018/07/71.html

沖さんのオデットは可愛くて、ちょっとすばしっこい感じ。
白鳥みんなに愛されてるオデット姫という感じ。
気持ちでは背負ってるのだろうけど、みんなに守られてる気がする。
ジークフリートとの出会いは、すばしっこく逃げるけど、
心を開くのもわりと早く、アダージオは嬉しそうで可愛らしかった。

オディールは小悪魔。シルフィードの小悪魔ぶりが魅力的だったので、
その線でいくとは思っていたけど、シルフィードよりも華やかな小悪魔。
大きな瞳で時々冷たい表情をみせるのが、また良いんだなぁ。
シルフィードの時もわしづかみされたけど、オディールにも魅了された。
沖さんは期待を裏切らないので、もっといろいろな役で観たい。

ブルメイステル版はキャラダンが悪魔の手下だから、
オディールが踊る時はみんなで片脚と肩を前に出して重心を前に傾け、
ジークフリートを威嚇しながらオディールにエネルギーを送る、
みたいな仕草が時々入るのだけど、これが効果的で、
若い主役をみんなで盛り上げてる感じがすごく良い。

宮川くんは王子役が初役で、本人も戸惑っていたけど、
ブルメイステル版という版には合っていたと思う。
ジークフリートがカッコよく立ち振舞う版ではなく、
頼りなげでロットバルト達に翻弄され手玉にとられる演出だから、
秋本くんのような落ち着いたタイプよりも若いダンサーの方が似合う。

テクニックはあるけど、表現力がまだ弱い人なので、
ヴァリエーションの喜び方浮かれ方も薄い。
今回は特にノーブルに喜びを表現しなければいけないから、
ノーブルに、という方に寄ってしまったのかも。
真夏のパックやベジャールくるみのフェリックスの方がのびのびと表現してた。
本人のインタビューと観客の印象は同じ。

これまでどちらかというとノーブルな役には縁がなく、
王子役を踊ることになるとは思っていなかったそう。
フェリックスやパックの方が自分に近く、役には入りやすかったとのこと。
テクニックがあって明るさがあるから、移籍前もそういう役が多かったんだろうね。


土曜日の主役、川島さんと秋本くんについては、
川島さんはよく言えばいぶし銀、わるく言えば地味なので、
どちらかと言うとバレエを見慣れた玄人ファン(?)向けの人。
表現が個性的なので、彼女の解釈をいろいろ観てみたくなるそうだ。
もっと派手な人を差し置いて配役されるのも、
芸監が彼女の踊り、表現を観てみたいと思っているからなのでは、
と分析する。

秋本くんについては絶賛の言葉のみ。
ホワイエで聞こえてくる感想からすると、
彼と池本くんのKファンも足を運んでいるようだ、とのこと。

その池本くんの道化は、前日は道化にしてはノーブルで、
(Kの「白鳥」は道化の代わりにベンノが登場するから、そのイメージか)
そこを芸監に指摘されたのだろうか、
日曜日はノーブルさがやや抑え気味となり、
代わりに勢いが増していたそうだ。
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