春は急ぐ

二週間前に家の梨の木に花が咲いていてカメラを向け、ああ、これなら4分咲きぐらいだと思い満開になったらいちど全体に写真を撮って花全体を数え秋にその花からどれくらいの実が生るのか見てみようと思っていた。　この分なら去年より収穫できるかもしれないと捕らぬ狸の皮算用に励み、そしてそんなことを思っていたのになんやかやで撮ることもせず、さて、どのくらいになっているのかと今日みてみたら全ての花が散ってしまっており、もう木は一面の葉で覆われていた。　

惨めな赤いものがまだ幾つかぶら下がっているものの既に長い椿に季節は終わり、木蓮やあたりの桜も散って、あると思っていた梨の木にはもう花はない。　だから当然のことに隣家の林檎の木からも梨の花に似た梨より少し大ぶりの花が散ってこの辺りは花の季節から青葉の季節にシフトが進んでいるように見える。　地表では小さな草花がまだ盛りは迎えていないものの春は急いで夏に追いつこうとしているかのように見える。　天気予報ではこれから来週にかけて25℃ほどにも上り始めると言い、来週にはまた濠に子供たちの水遊びする姿が見えるようになるのかもしれない。　晴れた日が多くなると一度に一日が長くなったように見えて夕食後に庭に出て庭に漂う草花の甘い香りを嗅ぐのがこれからの楽しみとなる。