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2018年05月19日13:11

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東博

黒田泰三『思いがけない日本美術史』にあった
《彦根屏風》のキーワード
「陰逸」「終焉」「落差」「無情」の確認に東博へ。


〜つながる日本美術〜
名作誕生
@東京国立博物館
フォト




出品リストをチェックしていなかったので
思いがけず《蔦細道図屏風》(俵屋宗達)
に再会して感動してしまいました。
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この季節に相応しい滴るような緑、
地面が空に続き空が道となる。
左右を入れ替えるという趣向の展示は2015年だったか。
右隻2扇目にある「光広」という署名が坂道を歩く人だと教わったな…


《夕顔蒔絵手箱》など
源氏物語モチーフの一群は
いま現代語訳を読み進めているので興味深い。
牛車と檜垣に咲く夕顔だけなど、人物が登場しない留守模様であることが余計に想像をかきたてます。


かとおもえば曾我蕭白《富士三保松原図屏風》
には、おおっとMIHO MUSEUMから運んできたのexclamation ×2と驚き。
美術展では新しいものに出会う喜びと共に
既知の作品と再会する楽しさもあるのだと改めて感じました。



さて目的の《風俗図屏風(彦根屏風)》
は終わりの方にありました。
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(画像はWikipediaより)

15人の人物と犬一匹、背景や舞台装置がほとんど描かれていない6曲1隻の屏風。
いつも右側のかぶきものの彼ばかり見てしまうのですが
今回は彼の視線を受けている芭蕉柄の着物の女に注目。
そして左扇の色が抜けたような三味線弾き
双六をする男の雪を散らしたように細かい着物の柄
盤にかかる女の指
そして何より、背景の画中画であり「琴棋書画」の見立ての中で唯一本物とも言える山水屏風の書き込まれかたをよく見てきました。
遊里を描いた金屏風でありながら漂う陰鬱な気配…
なるほど作者の心情が表現されているのかも。
図録の表紙にもなっているとは。人気があるのですね。


5月27日まで。
http://meisaku2018.jp/

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