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2017年10月23日20:12

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週末ナイメ―ヘンに行ってきた



先週二週間のヴァカンスをモロッコでサーフィンをして戻って来た娘のところに行こうと家人が言い、娘と新しい顔を見にナイメ―ヘンに行った。 それなら僕もと息子も加わり一緒に息子の車で出かけた。 ドイツとの国境まであまり遠くないナイメ―ヘンまでライデンから約150km、2時間弱のドライブだったけれど途中何度も土砂降りとカラッと晴れる天気の繰り返しだった。 行きも帰りもナイメ―ヘン滞在中もそんな調子だった。

娘に男友達ができたとかでその男と一緒に食事をした。 娘は中学校から一緒の女友達とアパートを借りていて彼女もモロッコに行ったのだったけれどその話や近況を加えて面白く6人で一夕を楽しく過ごしたのだった。 男はもとヒッピーの両親に育てられそれへの反発からか少々保守的だと娘が言っていた。 ハーグの美術学校で写真をやりライデンに住んでいたのだがナイメ―ヘンの病院で今は働いているそうだ。 二人の見交わす眼差しは今は熱いものだがそれがこれからどのようになっていくのか我々はただ様子をみるしか仕方がない。 娘はモロッコで習って来た鶏のタジンを料理し家人はライデンから作って持って行ったチョコレート・ムースをデザートにした。 娘のボーイフレンドが持ってきたイタリアの赤ワインがとても美味かった。 匂いを嗅いで一口味見をしただけだったけれどその素晴らしさには飲めないのがつくづく残念だった。 この半年アルコールを口にしていないから余計に美味く感じるのかもしれない。

娘の女友達が週末などにライデンの隣町に住む彼女の両親の元に戻ったり留守にしていれば我々はそこに泊まることができるのだが今回はどこかに宿舎を探さなければならなかった。 我々がよくやるように「サイクリング友の会」のリストから一つを選んで電話をかけ土日の二泊を予約した。 けれど自分は月曜のジムがあり息子は仕事があるので一泊だけで日曜の午後息子の車で戻り、家人は一人月曜に電車で戻る算段をして娘のところから4kmほど離れた町の反対側のその住所に出かけた。 

82歳になる老人が一人二匹のゴールデンリトリーバーの老犬と住んでいた。 話を聴くとライデン近郊の村の農家で生まれ11人兄弟の末っこであり小さい時からカトリックのセミナリオに入れられて牧師になった。 そのセミナリオというのは自分がチーズを買いに自然公園を抜けていくときによくそばを通る修道院で終戦後インドネシアに教会から派遣されて7年住んだのだという。 戻ってきてから結婚し、牧師を辞め、ナイメ―ヘンの高校でオランダ語と地理を教えてもう大方20年ほど前に定年している。 話し好きな温厚な老人で家の中が散らかっているのがよかった。 普通のB&Bでは余りにも清潔すぎて息が詰まりそうになることがある。 当然清潔第一であるのだがこの組織の人々は普通の家庭に人を泊めるということをしていてそれぞれが生活感を持ち我々がそこを訪れるという形が面白いのだ。 定期的に泊まるマーストリヒトのマリアお婆さんのところもこの「サイクリング友の会」の組織に属している。 朝食時にはリンブルグ訛りの還暦前の夫婦と一緒だった。 2週間ほどでざっとオランダを自転車で一周しているのだといった。 今まででもう10日ほどサイクリングしているが雨は半日だけで例外的に天気がよかったそうだ。 この5日ほどは穏やかな日々だったけれどその前はビチョビチョの雨を経験しているので通った州の天気に恵まれたのだろう。 「サイクリング友の会」というのが組織だが必ずしも自転車旅行をする人たちばかりが泊まるのではなく、自分は自転車旅行をしたことがないけれどあちこちで泊っている。 家人は子供たちがまだ小学生だったとき子供たちを連れてドイツやベルギー方面に自転車旅行をしていてその時以来の家族会員になっている。

日曜の朝四人で町の盲人の博物館に行った。 そこで「盲人体験」をした。 盲人がもつ白い杖を手に一条も光の射さない真っ暗な空間を係員に引導されて巡るのだった。 杖と係員の声、周りの音だけが頼りだった。 なんとも不安なものだが徐々に慣れて自分の周りだけの足元を頼りに導かれるままに空間を巡った。 当然道のでこぼこ、柱、歩道の自転車などが配置されていて横断歩道もある。 スーパーに入り買い物をして近くのカフェーのバーの止まり木に坐りコーヒーやコーラを飲む体験もしている。 現金で支払い釣りを受け取り暗証番号を打ち込み自動支払いをすることもできる。 不思議なのは今でもあの空間の記憶がはっきり残っていることだ。 歩道から横断歩道を渡るのに一段下がるあの感じやスーパーで玉ねぎ、シャンプーの容器、ジャムの壜に触れた時の感じなどと空間を移動するときの方向感が残っている。 その順路経験の後博物館の展示場所で点字タイプライターを使った。 アルファベットは三つづつ二列の6つの空間で一文字となり6進法の原理のようだ。 両手で左右三つづつの組み合わせを操作して文字を打つ。 思ったほど難しくはなく、慣れれば早く打てそうだ。 けれど読むのは難しい。 両方の人差し指をくっつけるようにして読み取っていくのだが初めて触れるものにはほぼ不可能だ。 これを読む人は嗅覚、聴覚と同様に指先の感覚、触覚が研ぎ澄まされていくのだろう。 

博物館を出ると細かい雨が降っていた。 その中を歩いて近くのカフェーで昼食を摂った。 出された量の半分も喰えなかった。  二時ごろナイメ―ヘンを出てライデンに向かった。 ナイメ―ヘンはオランダで最初の都市だと聞いた。 それならローマ軍が南から進んできてオランダに入った町、マーストリヒトが最初かと思ったけれどこの町だそうだ。 いずれにしても何もない現地人だけのところに「文明をもちこんだ」ローマ人が進行してきてローマ人が認めそれが「都市」となったのだからオランダ人にしてみたら「なし崩し」の認可だったのだろう。 紀元1世紀のことのようだ。



ウィキペディア;ナイメ―ヘンの項;

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%98%E3%83%B3
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