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2017年08月05日04:26

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無視するには惜しい、ニューヨークを舞台にした母娘の群像劇。ポール・ダドリッジ監督「ニューヨーク、愛を探して」(2016)。

WOWOWで放送しました。番組表を見て、知らない映画だからImdbで調べたら、なんと得点が4.9。普通こういう場合はパスします。でも、出演者がセルマ・ブレア、ミラ・ソルヴィーノと知ると、ちょっと捨ておけない。そんなわけで録画し、見ました。予約した時点では4.9だった得点が、今見たら5.0になってら。変わらんけど。

物語は、写真家のリグビー(セルマ・ブレア)、服飾デザイナーとして認められかけているジョージナ(ミラ・ソルヴィーノ)、そして30過ぎまで姉だと思って暮らしてきた人間が、実は母親だったと知ったレベッカ(クリスティーナ・リッチ)たちの、母親と娘をめぐる群像劇です。原題は「Mothers and Daughters(母たち娘たち)」。

見る前、セルマ・ブレアとミラ・ソルヴィーノたちも、娘との確執を語る年齢になったか、と思っていました。クリスティーナ・リッチも母親になっていい年齢だし。ところが始まったら、ブレアは独身のカメラマン、ソルヴィーノは子供を作らないという方針です。リッチは先述のとおり、母親だと思っていた祖母が死に、姉と思っていたコートニー・コックスが15歳で産んだ娘だったという役どころです。

そこからいろいろ物語が発展するのですが、ネタバレを避けるためこれ以上は書きません。それなりに興味深いドラマでした。だから僕には、この映画が5点というimdb読者の意識がよく分からない。とりわけTop 1000 voters(点数の高い1000本の映画に投票している人たち)からの平均点が3.8です。

でもこれは、目先だけのCGアクションに興じている、現在の多数派映画ファンであり、かつてimdbの創世記を支えた、我々のようなオタク映画ファンではないと決めつけておきましょう。シャロン・ストーンがファッション誌の編集長で、見てくれは「氷の微笑」と大して変わらないのに、いい母親の典型として出てきます。さらにスーザン・サランドンも加わるし、見飽きませんでした。←90分と短いのもいい。

ミラ・ソルヴィーノの伴侶役は実生活の伴侶だそうだし、シャロン・ストーンの娘を演じるエヴア・アムリ・マルティーノはスーザン・サランドンの実の娘だそうです。それならもっと人間関係にあったかさが感じられてもいいのですが、そもそも厳しい話だから無理なのか?

あるいは、せっかくのニューヨークが舞台(そう考えるの、僕だけ?)なのに、街角の風景が挿入された後のドラマにニューヨークが生きてこない。これが最大の難点でした。あるいはセルマ・ブレアのカメラを構える姿が、とてもプロの写真家に見えない。デジカメは軽いから?←「欲望」のデビッド・ヘミングスのような颯爽感がないわけです。

なんか不満ばかりになりましたが、それぞれの逸話が結構興味深い。本来タイトルは「マザーズ・デイ」だったそうですが、ゲイリー・マーシャルが同じ題名で映画を作っていると知り、改題したそうです。「マザーズ・デイ」はゲイリー・マーシャルの遺作にしては物足りないけど、あちらもそれなりに興味深い話でした。

基本的に“一つ屋根の下にひと組の夫婦しか住めない”というアメリカの家族制度から、ファミリー意識がどうなっていくのかという興味が僕にはあります。その核心には至らないけど、周辺部分の具体例を知るには最適の作品でした。
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