「もの」が主体でありながらそれだけでないものの写真。
石内都
〜命の衣 百徳と背守り〜
@鎌倉画廊
1947生まれ、一昨年ハッセルブラッド国際写真賞を受賞している世界的な写真家による
ある「きもの」たちの写真展です。
(ちなみに日本人として同賞受賞は濱谷浩、杉本博司に次ぐ3人目でした)
なぜ「命の衣」か。それは、子供が五歳まで生きられることすら当たり前でなかった時代
(江戸時代から昭和初期)、その健やかな成長を願って奉納されたものだからです。
このうち「百徳着物」とは、長寿の老人や近所の家々から数多くの端切れをもらい集め、
百枚にもなろうかというその端切れを縫い合わせたもの。
「背守り」とは幼い子供が身に着ける着物の背中部分に魔除けとして施された縫い目や刺繍をさします。
(ウェブサイト解説より)
2014年LIXILギャラリーで展示されたことがあるそうですが、
新たなプリントを加えた20点が2つのフロアに並んでいました。
鶴亀などのめでたい柄のものあり、鮮やかな色彩の端切れをパッチワークしたものあり、
経文が裏地に書かれたものあり・・・
実際に使われたものかは不明ですが、このような願いをこめた親に迎えられた子供は幸せでしょうね。
石内都は被爆した衣類の《ひろしま》やフリーダ・カーロなど遺されたものの写真も有名ですが
持ち主がどのように失われてたか片鱗を知っているそれらとは少し違う、時を越えたひとの思いを感じました。
そういえば石内さんは展覧会のオープニングなどではきものをお召しになっているようですね。
12月18日まで。
http://www.kamakura-g.com/current/#japanese
常設展には李禹煥の木炭作品も2点ありました。
うれしい驚き。
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