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2016年07月10日13:21

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伴大納言絵巻

出光美術館が開館50周年を記念して、お宝を一挙展示。
第一期『やまと絵の四季』第二期『水墨の壮美』に続く第三期に漸くいくことができました。


美の祝典
〜江戸絵画の華やぎ〜
@出光美術館
フォト



目玉のひとつは、
日本四大絵巻の《国宝・伴大納言絵巻》10年ぶりの展示です。

本当は応天門炎上の上巻(5月8日まで)、子供の喧嘩の中巻(6月12日まで)を見るべきだったのでしょうが、最後だけでも十分に堪能しました。

実物をみてわかったのはまず詞書の読みやすさ。
特に下巻では短いので私でも読める(笑)。

文字も絵も大きくて保存もよくて細部までくっきり。
もちろん描かれ方も群衆の中の人物の表情のバリエーション豊かなことなど想像以上です。

引目・かぎ鼻・下ぶくれのやまと絵と全く違う。
線(とわずかな着色)による表現が三次元というか、立体的なのです。



例えば真相を知る舎人が引き立てられてゆくシーン。
舎人の赤く紅潮した頬。

尋問を受けている場面。厳しく問い詰めるもの、イライラして笏をトントンするもの。
後ろ姿の舎人、恐縮しきった背中の線。

大納言の検挙を知った館の女性たちの嘆き。
夜着を引きかぶっているもの、空をあおいで口を開けて嘆くもの、片膝をかかえて泣くものetc.

そして検非違使の馬。
馬の足!
これを見ただけでも来た甲斐があったと思いました。


もちろん今回のお宝は伴大納言絵巻だけではありません。

重要文化財も4点。
屏風にはギャラリースコープ必携ですね。
作品の傍らにここ(地名)はこの部分、という丁寧な説明があります。
・更衣美人図(喜多川歌麿)
・祗園祭礼図屏風
・江戸名所図屏風
・四季日待図巻

酒井抱一は『琳派〜京を彩る〜』で宗達・光琳と並んでちょっと残念だった《風神雷神》を取り返すように
銀地の《香白梅図屏風》、光琳を承継するような《八ッ橋図》、
そして何よりも《十二ヶ月花鳥図屏風》が出ています。
四月でしょうか、牡丹の上の黒揚羽蝶は同じリアルでありながら若冲と全く違います。

少しずつ日本画も楽しめるようになってきたかな。

《蓮下絵百人一首和歌巻断巻》など、素人でも一目で
宗達が下絵を描き光悦が書を書いたとわかるようなものもあり。


しかしベタですが、個人的に好きだったのはやはり光琳の小品でした。

《蹴鞠布袋図》
蹴上げられた毬、上を向いた布袋の丸顔、たいこ腹、打ち捨てられた頭陀袋、光琳の印章と5つの○が縦一直線に並び、まるでお団子のよう。(解説より)

《深省茶碗絵手本》
弟の乾山のために光琳が描いた茶碗の絵付け見本の巻物。
鹿、馬、植物。さらさらと描かれていながらみごとでした。
それを受けるように、乾山の《色絵定家詠12ヶ月和歌花鳥四角皿》も5月〜8月が裏面も見せて展示されています。

7月18日まで。
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibitn/present/
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