mixiユーザー(id:58808945)

2016年04月23日23:46

330 view

出鱈目だらけのアベノミクスの失敗で見えたひとつの光明

■4年目のアベノミクス 厳しい論調に転じた海外メデイア
(THE PAGE - 04月23日 16:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=3961731

日本のGDPは野田政権時の491兆円に戻ってしまった。しかし野田政権時よりもさらに酷いのは、野田政権時は日本のGDPに占める個人消費が65.9%あったのが、現在は61.9%と目減りしている。

 金額にならすと何と20兆円。

 一般の消費者が買えるものが4%も減る。

 これを貧困化というのではないのか?

 それにしても記事に出て来たクルーグマンは正直者で優しい人だなと思う。

 リーマン・ショックでアメリカが財政出動など様々な施策をして、何とか最悪の事態を回避した際、我々もバブル崩壊後の日本を散々批難して来たが、その時の日本と同じことをしているではないか、他国をアメリカは批判出来る資格は無いと間違いを認めた。その彼は国民の所得を20兆円も奪い取った政権の経済政策を失敗したとはまだ言わず、「失敗のリスクが高まっている」とこの記事では言っている。何と優しい人だろう。

【財政再建の為の消費増税、という虚妄】

 日本の経済成長率が延々と低下して来たことは、平成元(1989)年末にバブルが崩壊したからという理由もあるが、それと同時に、消費税が導入されたことは見逃せない。論より証拠、平成9(1997)年の3%⇒5%に引き上げた後も消費税が消費を冷え込ませた。日本のGDPの構成要素のうち、実に個人消費は55〜68%の間を推移しているが、貯蓄好きな日本人も例外なく、所得の低い人達は消費に回す。これが中国のように35%くらいしかGDPに占める個人消費の割合が無いような国ではあればまだ影響も小さかろうが、日本のようにこれだけ内需が大きな国では一番消費する層を傷めるような施策を取れば、当然消費は冷え込み、経済成長率は低下せざるを得ない。

 日本は過去3回消費税を導入して来た。財務省が本気で財政再建の為、というのであれば、以下の点をどう説明するのだろうか?

 以下は導入時の歳入−歳出のギャップである。

 平成元(1989)年導入前・・・▲14兆円

 導入後・・・▲27兆円

 平成9(1997)年消費税5%導入後・・・▲43兆円

 そして8%導入後・・・▲50兆円以上(?)

 稼ぎの多い人達の税負担を手厚く保護してやれば、しゃかりきになって働くから、税収は増えるという目論見は完全に失敗している。

 つまり財政再建の為の消費増税という主張は絵に描いた餅である。分かってやっているとしたら、彼らは財政赤字を減らそうという気は全く無く、貧しい者から所得をふんだくり、法人税、所得税の減税財源にして、富める者をますます優遇するための原資にするのがひょっとすると真の目的なのではないかと疑いたくなる。

 ただしそれでも彼らは「富める者を優遇すれば、もっと上手く儲けて、貧しい人にもやがてそのおこぼれに与かれるはずだ」と主張するだろう。所謂「トリクルダウン理論」というやつだが、現実にはそんな理論とは正反対の結果となっているのは明らかだ。

 【円安・インフレ政策は成功したのか?】

 安倍首相は事あるごとに「円安・インフレで日本経済は回復している。」と唱えている。本当だろうか?

その疑問に答えるには8%への消費増税の約1年後に行なわれたアンケートを見れば分かると思う。エネルギーコストインフレを企業がどれだけ買い手に転嫁出来ているかという内容である。

 「殆ど反映出来ている」・・・14.8%

 「半分以上は繁栄出来ている」・・・12.5%

 以上、反映出来たのはたった27%というありさまだ。

 「半分しか反映出来ていない」・・・16.4%

 「半分も反映出来ていない」・・・37.1%

 「全く反映出来ていない」・・・19.2%

 (出所・総理府)

 72%の企業が円安・インフレ政策は大迷惑だとこのアンケートは示唆している。この政策では日本経済は全くと言っていいほど成長に貢献出来ていないということになる。

 では肝心の輸出を見てみよう。安倍政権になってから実行された円安政策で対米輸出が増え、アメリカの対日貿易赤字が増えただろうか?アメリカの対日貿易赤字はピーク時が平成7(1995)年で、何と総貿易赤字の実に45%が日本だった。ところが安倍政権になっても、9%という状態である。とても成功したとはいえない。円安にしても輸出がそれほど増えないのは、日本企業の多くが海外に行ってしまったからである。

 ならばもう国内に残った企業が頑張る施策をするしかないではないか。

 こうなることは分かり切っていた。先述したように、日本のGDPに占める個人消費は55〜68%にも達するのだから、この割合を変えずにGDPを拡大するとしたら、いきおい原材料の輸入は増やさざるを得ない。だがそうなると円安だと今度は利益を圧迫してしまうのだから。

 【浦島景気が消費増税不況を覆い隠していた】

 平成9(1997)〜平成23(2011)年くらいは消費増税不況、と呼んで差し支えないかもしれない。この間経済成長は鈍化し、企業は内部留保を増やしつづけた。「企業はしこたまためこんで怪しからん」というご意見は尤もだが、おカネがあっても、確実にリターン出来そうなところが殆ど無いので、研究費も設備投資も増やす気になれない、これが現実だった。

 しかしそんな中、平成19(2007)年のサブプライム・ショックが発生してから平成24(2012)年くらいまではそれでも生活実感は不景気を緩和していた。この間、円高になったからである。日本のGDPを日本円建てでなく、米ドル建てで換算した場合、

 2008年・・・4兆3千億ドル

 2012年・・・6兆7千億ドル

 (出所・IMFなど)

 率にして55%増。かなりの拡大ぶりである。この結果、海外からモノ、サービスを買う際はそれだけ低価格で買えた時代だった。ちなみに日本のGDPに占める個人消費の割合が一番高かったのは、バブル経済期でも無ければ、高度成長期でもない。実はリーマン・ショックのあった平成20(2008)年で68%だった。庶民は間接的だったかもしれないが、円高の大恩恵が消費増税不況を和らげたのである。

 経済企画庁長官にして作家の堺屋太一氏は円高の恩恵が実態の悪化を覆い隠した「浦島景気」だと揶揄した。彼には円安になれば実態の悪さに直面すると結論づけたのである。

 浦島というからには、いずれどこかで誰かが玉手箱を開かねばならない。

 そしてその玉手箱を開けたのが安倍政権だった訳である。開いた彼は消費増税不況を更に深刻化した。

 日本の利口な庶民は理解し始めている。円安、インフレ政策は庶民生活を苦しめるだけで、何のメリットも無いと。実質世帯所得は前年比で6%以上の激減となっていることを肌で感じているはずだ。

 【円高は日本にとって長期的には追い風のはず】

 こうして見ると今の日本は円安よりも、円高の方がメリットははるかに大きいことが分かる。

 更に今の日本は最早円安要素は無い。新興経済諸国(特に中国)が今まで資源浪費を行なってきたのが、そんな余裕が無くなって来ている。資源価格も下がり出している。日本周辺にはならず者国家がいるが、彼らが暴発して戦争になったとしても、局地戦になる可能性の方が高い。となると、平時の資源価格は低位安定という具合になるだろう。

 堺屋太一氏が形容した「浦島景気」にはもうひとつの意味があるはずだ。もういい加減嘗てのスター選手(製造業)に頼って経済を拡大するのはそろそろ止めて、第三次産業(サービス業)主導の新しい産業を生み出すなりした方が良いという意味だ。その意味では円高は最大限利用すべきである。

 安倍政権は円高のメリットを活かす気は無いようで、円安政策を推進しているが、それもそろそろ限界に来ているようだ。実際、マイナス金利継続を政策決定した矢先に円高・ドル安になった。世界市場は円安政策で辞退しようとする日本を無理やり引っ張って来ようとしている。今、日本はサービス業主導の産業構造に転換するチャンスである。

4 10

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する