■震源、ひずみ集中帯と重なる 専門家「警戒が必要」
(朝日新聞デジタル - 04月17日 20:03)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3951825
先ずは亡くなられた方に心からお悔やみ申し上げたい。と同時に九州の方々に一日も早い復興と回復を切に望みたいと思う。
この記事で紹介された西村氏のGPSを駆使した仮説はなかなか緻密だと思った。ただ西村氏の予測はその限られた地域でのみ「蓋然性が高い」というものであって、では、そのひずみと断層にプレッシャーを与えた正体はどこなのかについてまでは残念ながら限界があり、踏み込んでいない。
この限界を突破する興味深い仮説がある。
【熊本地震でも的中した木村仮説】
琉球大の木村政昭氏は東日本大震災、まだノーマークだった御嶽山噴火、箱根の地殻異変を予知した地震学者である。彼の予想の方法は独特で、一定の規模(マグニチュード)が起きた場所を点で記す。その点で囲まれた地域を「地震の目」と呼び、そこがM.7.0以上の所謂「大地震」の震源域となる可能性が高い地域とする予想を続けて来た。政府が心配しているような南海トラフ地震は木村氏の予想には2025年くらいまでは出て来ないという。流石にここまで的中するとその的中率に慄然とさせられるしかないが、次は一体どこが危ないのか大変気になって来るところだ。
▼北海道・・・釧路沖(〜2020)、予想規模M.8.5
▼東北・・・三陸沖(〜2024)、予想規模M.8.5。ただし2015年2月17日、M.6.9の地震が起きている。この地震の目が引き起こしたプレッシャーだという。
▼関東・・・小笠原周辺(〜2018)、フィリピン海と太平洋プレートとの境目付近。予想規模M.8.5。2015年5月30日起きたM.8.1の地震はこの区域の地震の目とは無関係。箱根の地殻異変はこの時のプレッシャーだという。
彼は富士山噴火もこのプレッシャーで十分起こり得ると言っている。
▼九州・・・日向沖(〜2019)、予想規模M.8.7。桜島大噴火、阿蘇山噴火(2014年)、口永良部噴火(2015年)だけでなく、
今回の熊本地震もこの地震の目が引き起こしたプレッシャーだという。
▼南西諸島(1)・・・沖縄本島南沖(〜2025)、予想規模7.5。但し今のところM.7.0以上の大地震は観測されていない。
▼南西諸島(2)・・・石垣島沖(〜2024)、予想規模M.8.5。2015年4月20日、M.6.8の地震が発生。台湾でも今年の2月6日、M.6.4の地震が発生して甚大な被害を与えたことは記憶に新しい。
【更なる地震発生の絞り込み】
区域は分かった。では、何時起きるのか?
ここで興味深い別の人の仮説がある。が、その前に少し天体物理学に御付き合い頂こう。
天体物理学の話になるが、地殻異変と、歳差偶力という力は密接な関わりがある。ではこの歳差偶力とは何か。
ひとことで言えば、
23.5°傾いている地軸をまっすぐに地球が立てようとする力を云う。
もう少し詳しく書くと、太陽と月、地球で引き合う力は均衡し、安定している。そのため、地球は赤道面の膨らんだ部分を2つの力を合わせた方向に合わせようとして、地軸の傾きを直そうとする力の事をいう。
しかし、この歳差偶力は変動していて、地球も何とか帳尻合わせをしようとして、形を変形させてでも直そうとする。或いはまた元にもどろうとする。地球の形が丸ではなく、厳密には一時的にしても、惰円であることは知られているが、それはこのような理由からである。ではこの地球が自らの形を変形させてでも力を安定させようとしている時、何が起きるのだろうか?
この時に起きるのが先ず重力の異常変化である。地殻、マントルの流れに一時的にひずみが発生する。そこへもしプレートテクトニクス理論などで説明されていたような地殻の移動、マグマの圧力などで、元々ひずみが高まっていたところに歳差偶力の力の変動が発生したらどうか?
ぎりぎりまで堪えていたエネルギーが歳差偶力の後押しで限界を越えてしまい、岩盤を砕き、或いは変形させて地震を生じさせることになる。
この歳差偶力の変動などから、科学技術庁元審議官の井上赳夫氏はM.7.0以上の大地震、航空機事故が発生しやすい日を特異日と名付けた。井上氏によると特異日は144日年間にあるという。
「なあんだ。そんなにあるならば当たるに決まっているよ。」
自分も井上仮説を知った時、最初はそう思った。
しかし、次の数字をご覧頂きたい。数字はM.7.0以上に限定。
1件・・・特異日圏・41%
2件以上・・・特異日圏・63%
3件以上・・・特異日圏・67%
4件以上M.7.0以上発生した日を見ると、100%に跳ね上がり、全て特異日に該当してしまうのである。
件数が大きくなればなるほど下がるのが普通だが、逆にどんどん上がっているのだ。的中率の高さに慄然とさせられる・・・。
では、気象庁が分析を誤った前震の4月14日はどうなのか?
実は特異日では無かった。直近の特異日は4月16日〜24日だった。亡くなられた方には心からお悔やみ申し上げるが、これがこの期間だったら、犠牲者はもっと出ていた可能性が高い。
なぜ、そう言えるのか?
論より証拠、以下は日本と共に火山国にして地震大国のインドネシアの今世紀に入ってから起きているM.7.0以上の所謂「大地震」の発生年月日、規模、死者・行方不明者の合計、NAはデータ無し、なお◆は特異日である。
◆2000年6月4日 M.7.9 103人
◆2004年12月26日 M.9.1 220000人以上
◆2004年3月28日 M.8.6 2000人以上
2007年9月12日 M.8.5 17人以上
2009年9月30日 M.7.5 1100人以上
2010年4月6日 M.7.8 ゼロ
◆2010年5月9日 M.7.7 NA
◆2010年10月25日 M7.7 573人
2012年1月10日 M.7.2 ゼロ
2012年4月11日 M.8.6 5人
そして・・・
◆2016年3月2日 M.7.9 NA
M.7.0以上の所謂「大地震」は今世紀に入ってこの地域では11回も観測。うち6回が特異日。しかも特異日の方がダントツに死者・行方不明者が多い。2004年12月26日の大地震の規模は東日本大震災級だ。死者行方不明者が22万人とは凄まじいものがある。
熊本地震の場合、震度6近い余震も起きていることから、この期間内の余震は特に注意が必要だ。
まだ警戒すべき要素はある。日食の存在だ。彼は日食の影が落ちる地域とその地球の裏側の地域も観測後4年間は大地震が起きやすいと推測している。
実際、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、1992年6月に発生した日食の影(裏)と1994年11月に発生した日食の影(裏)が重なっただけでなく、その中心線に神戸があったため、神戸の街が最も被害を受けた。しかも1月17日は満月で、またしても特異日だった。
なお、理論上は満月の日よりも新月の日の方が破壊のパワーが強い。もしこれが新月だったら、更なる大惨事になっていた可能性が高い。
日食のパワーだが、2012年5月21日に日本列島に影を落とした金環日食の影響がある。井上氏は日食の影響は2年後にピークを迎え、4年間続く、と分析している。
ということは、熊本地震も末期ながら、影響下にあるということになる。
話を現在に戻そう。
前震の4月14日は特異日では無かった。しかし4月16日の午前1時25分、M.7.3の地震が起き、気象庁はこちらが本震であると明朝になって修正を行なった。となると、熊本地震の発生日も紛れも無く「特異日」である。
特異日に当たらないことを頼っているようでは矢張り危ない。木村仮説で列挙されたところ以外の地域にお住まいの方も起きないことを祈りつつ、対策と準備を怠りなくやっておくことが最良の選択だろう。
その為には各人が分析の上、確度の高い仮説、情報だという確信を得たら、何でも利用するだけの心構えも重要だ。相手はいつ何時襲いかかって来るか分からないだけに。
もうこれ以上犠牲者は出したくない、その共通に願いに近づく為に。
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