朝顔のように開いた口
に長い首。
かきおとしの線、ピンクの釉薬。
この独特のスタイルを確立したのは晩年。
没後20年 ルーシー・リー展
〜調和の器・永遠の憧れ〜
@姫路市立美術館
1902年ウィーン生まれ。
戦争のため1938年にイギリスに亡命し、
終生ロンドンで活動しました。
いまでこそ評価が高いのですが
バーナード・リーチのお墨付きがつくまで
作品はなかなか売れなかったようです。
生活のため作られたおびただしいボタン。
しかしそれは釉薬の研究にもってこいだったよう。
まことに人生に無駄はありませんね。
会場では1982年のインタビュー映像が流れていました。
80歳の陶芸家。
針でかきおとしの線を1本1本描いていきます。
ろくろを回す。かすかな首の震え。
しかし手元は揺るぎません。
スプーンで調合する釉薬。
シリコン炭化物を混ぜた溶岩釉
酸化クロムを含む化粧土に錫を含む釉薬をかけたピンク
二酸化マンガンに酸化銅を加えたブロンズ釉…
窯出しの光景も映ります。
有名さからすれば意外なほど小さな電気窯。
カーサ・ブルータス10月号の表紙(写真右下)の
《ピンク線紋鉢》も出ていました。
ピンクに象がんの線紋、口縁のブロンズ、エメラルドグリーンのラインが鮮やかです。
12月24日まで。
http://www.city.himeji.lg.jp/art/schedule.html
姫路城は紅葉も見頃でした。
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