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2015年06月25日09:37

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【酒】ルリカケス


なぜか自宅徒歩圏内には、
ウイスキー飲みの間で神格化されているバーとか、
銘品が揃う店として焼酎好きに一目置かれる酒屋がある。

でも私は醸造酒派なので、たまに顔を出せば、
やあお久しぶり、と挨拶される程度にしか足を運ばない。
酒屋に寄っても、買う酒は基本贈答品だから、
まさに猫に小判、豚に真珠、
焼酎好きが聞いたら地団駄踏まれることだろう。

先日、これまた久しぶりに、
プレゼント用の焼酎を求めて酒販店に寄ったが、
18年未満の蒸留酒はまだアルコールが出しゃばってるし、
加えて焼酎は、個性であるところの風味も苦手なので、
自ら進んで飲むことはまずない。

よって味の違いもわからないから、
なかば茫然と焼酎の棚を眺めているうちに、
一銘柄だけ、好きな「焼酎」があることを思い出した。

それがこれ。
http://www.konjiru.com/shochu/other/contents000078.htm

開封すれば南国のフルーツを思わせる甘い香りが漂い、
含むとスピリッツならではの力強いアルコールが押し寄せてくるが、
一般的な焼酎とは異なって妙なえぐみもなく、後味も清冽だ。

造り手は、奄美・徳之島の高岡醸造。
http://www.kokuchu.com/k53_toku_takaoka.html

焼酎は、蒸した米と水、酵母、麹で「一次もろみ」を造り、
次いで米や麦、蕎麦などを加えて「二次もろみ」を造る。
ここまでは、日本酒や雑穀酒と造り方はほぼ同じ。
この「醸造酒」を蒸留したのが焼酎の原酒で、
加水・熟成させたのち、商品として出荷する。

そして「二次もろみ」を造る段階で、米や麦の代わりに、
サトウキビの糖蜜を用いるのが、黒糖焼酎というわけだ。

一方、西インド諸島原産の蒸留酒とされるラムは、
材料や製法によってバリエーションはあるものの、
サトウキビの糖分を発酵させた醸造酒を造り、
それを蒸留したものだから、
造り方は黒糖焼酎と概ね同じだが、
日本でラムはスピリッツやリキュールに分類される。

ところが上記サイトの説明には、
「ルリカケス」を「国産初のラム」との記述があり、
さらに「黒糖焼酎」の表記もある。
なにがどう違うのだろう。

それはともかく、プレゼントは「ルリカケス」にしよう、
と棚を見回すも見当たらない。
在庫切れだろうかと肩を落としかけたところ、
焼酎の目利きこと店長さんが、
台車を押しながらやってきた。

「ああ、あれねぇ。奥にあることはあるんだけど...。」

寂しそうに視線を落とす店長さん。

「...」のわけをたずねると、
味が変わってしまったのだという。

なんでも製造の指揮は、
蔵元のじいさまが執っているが、
体調不良で現在は、暫定的に、
息子が仕切っている。ところがこの二代目、
じいさまの味と香りを出せないらしい。

伏せっている先代は、
そのまま引退というわけでもなさそうで、
近く復帰という話も耳にするから、
日を改めて、また寄ってほしい、とのこと。

...店長さんも職人だねぇ。

味の変化に気付かない店もあるだろうし、
気付いても、人気のある酒だから、
素知らぬ顔して売ってるところもあるだろうに。
にもかかわらず、昔の味を求めて来た客には、
正直に事情を話して薦めないとは。

さすが焼酎愛好家。
いや、愛好家だからこそ、味の変化に敏感に気付き、
劣化したものはお客に勧められないのだろう。

酒やバレエにかかわらず、ファンはこうありたい。
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