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2009年08月16日08:19

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【バレエ】世界バレエフェス特別全幕プロ「ドン・キホーテ」(7月29日)

まだシムキン君がここまで有名になる前、
自分の好みでない、という理由で理不尽に貶す人をみかけました。
それはないんでない? と彼を弁護したほど、
私は彼を良いダンサーだと思っています。

でも、どの分野でも、周囲や関係者が持ち上げると、
自分で良し悪しを判断しない人がいるのもまた事実。
第三者も目にする文章を記す時は、常に冷静であれ、と心がけてます。

...と、言い訳してから、(^O^)
では、師匠の感想を、お楽しみください。

       *     *     *

キトリ/ドゥルシネア姫:マリア・コチェトコワ
バジル:ダニール・シムキン
ドン・キホーテ:野辺誠治
サンチョ・パンサ:高橋竜太
ガマーシュ:平野玲
メルセデス:奈良春夏
エスパーダ:後藤晴雄
ロレンツォ:横内国弘

コチェトコワさん(「t」は発音しないコチェコワさん説もあるみたいだけど、
NBSの表記で統一するね。)とシムキンくんが、かわいい〜。(*^^*)
ケースに入れて飾っておきたいくらい、かわいいカップル。(^o^)
本来こういう若いコ達の話なんだよな〜と、改めて感じた。

コチェトコワさんの表情がくるくる変わって、本当に愛らしい。
日本人に混じっても小柄な体格なんだけど(高村キューピッドより小さい!)、
身体バランスは良いし踊りが大きいし、キラキラしていて存在感はしっかり。
ちょっと強気で元気いっぱいなキトリ。
夢の場のドルシネアでは、丁寧にしっとり、ふんわり。
でも、元気なキトリの方がより似合う。
踊りはしなやかで伸びもあり、緩急自在。音感も良く、見ていて気持ちよい。
もっと他の演目でも観てみたい。

東バの小柄な女性ダンサー達よりも小さいので、
居酒屋場面でロレンツォ達から逃げる場面は、
キトリを隠すように立っている人影にすっかり隠れてしまい、
ロレンツォに見つからずに逃げられるかと思ったほど。(^o^)
(そんなワケ無いけど)

夢の場の、白いチュチュ衣装に身をつつんだコチェトコワさんは、
お人形みたいなお姫様。(^^)
リーズのミリツェワさんを見て、小さい女の子達が「かわいい〜♪」
と歓声を上げてたけど、あの子達がいたら、また歓声が上がりそう。(^^)

1幕のヴァリはカスタネットを使って軽快に踊り、
結婚式のGPDDは扇子有りのヴァージョンだったと思う。
堂々と、でも可愛らしく踊りきった。

シムキンくんはテクニシャンだけどパワフル系ではなく、
エレガントな踊りなので、案外バジルより王子系の方が似合うかも。

小柄な東バダンサーに混じっても違和感ないくらいの身長だけど、
やっぱり身体バランスが良い。
特に、結婚式GPDDの白い衣装が肩幅広く見えるデザインだったので、
一人だとそんなに身長が低いようには感じない。

跳躍はふわっと軽やかで、回転の軸が細くてブレない。
速度も自在でピルエットの見事なこと!
背中の柔らかさは、コルプさんみたい。女性ダンサーみたいに、しなやかで優雅。

それだけ能力が高いので、サポートがもっと上手くなれば言うことないかな。
ソロじゃないPDDを見るのは、今回が初めて。
姿勢にも気を配っているし、ワンハンドリフトも決めていたし、
下手ではないのだけど、ソロと比べるとレベル落ちる。
組む相手が限られる身長だから、数をこなしてないだけかもしれない。
とにかく、すごく楽しみなダンサーであることは確か。

アメリカと違って、業をくり出しても拍手や歓声など反応が薄いので、
ちょっと戸惑った様子もあった。決めポーズでは大拍手なんだけど、
踊り途中は満席状態にも関わらず会場が静か。
みんな固唾をのんで見守ってる感じ。

1幕のキトリといちゃつく場面で、
スカートを捲り上げて手を入れてたのには、ちょっとびっくりした。
可愛い顔してても男の子だな〜、若いなぁ。(^o^)
でも、人前で愛娘にそんなことされたら、ロレンツォが怒るのも当然だ。(^o^)

狂言自殺の場面では、何故かカミソリを服の中に隠していて、
これが襟元に引っかかって、なかなか取り出せない。
音楽は進んでいくし、かなりハラハラした。
シムキンくんも、最後には服が破れてもいいくらいに無理矢理引っ張り出してた。
まだ二人の結婚が許されたわけじゃないのに、
カミソリを取り出せた時にはホッとした。(^o^)

主役以外の東バ・ダンサーたちはというと...。

プロローグで、髭を剃るクリームの量が減った?
もしくは、無かったかも。
以前は、ドン・キホーテの頭に洗面器(?)を被せると、
クリームが垂れたりしていたのに、手前でひっくり返しても落ちてこなかった。
拭き残しで滑りそうになったりしたから、止めたのかな?

野辺さんのドン・キホーテが良い感じ。
高橋さんのサンチョは、もはや名人芸。
ただ、着ぐるみのせいか体を絞ったのか、
顔が痩せてしまったので体とアンバランスな感じ。

横内ロレンツォも、平野ロレンツォほど目が離せないわけじゃないけど、健闘。
演技の堅さがとれてきた。今回はロレンツォなので、
せっかく筋トレで鍛えた成果はわからなかったけど。(^^;)

平野ガマーシュは、芸達者過ぎて困る。面白くて目が離せない。
ロレンツォくらいにしてもらわないと、
1幕では、ほぼ誰かと絡んでいるので真ん中を見逃しそうになる。(^^;)
特にサンチョとの絡みが最高。(^^)

サンチョ達は常に小芝居をしていて飽きない。
ガマーシュとドン・キホーテが食事をしているテーブルから、
サンチョが大きなパン(たぶん)を取り、
セギディーリャに「頭にのるんじゃないか?」と言われて、その気になるサンチョ。
「のった!見て見て!」と闘牛士にまで見せるサンチョに、
「おっ、スゴいな!」と、からかう闘牛士や街の人達。

キトリのカスタネットのヴァリエーションで、
ギターをかき鳴らして御満悦のガマーシュ。
(四つん這いになったお付き、佐々木くんの背に片足乗せてるし…。
ガマーシュと召使いも面白い。)

キトリに合わせて一列でムレタを振る闘牛士に近寄っては、
ムレタを振るタイミングで突き飛ばされるガマーシュ。
フィニッシュでは思い切り顔面にムレタをくらい、転倒。
くらわせた宮本闘牛士は涼しい顔でポーズを決めてる。
猛然と抗議していたガマーシュも、
いつの間にか宮本闘牛士と肩を組んで仲直りしてるし、複眼が欲しい〜。

キトリの友人は、佐伯さんと乾さん。好きな踊りは佐伯さんタイプなので、
差が気になるかと思ったら、そうでもなかった。

闘牛士軍団は、宮本さん、松下くん、長瀬くん、梅澤くん、
柄本兄弟、森川くん、安田くん。たぶん身長で揃えただけ。
残念ながらサマになっているのは宮本さんのみ。
松下くんも何か決まらないし、長瀬くんは何か可笑しい。
一人を除いて、みんなグダグダというか余裕がなく、
とても街の憧れの対象には…。

その闘牛士軍団のリーダー、エスパーダも不調。
後藤さんの踊りにキレが無く、重い。

メルセデスは奈良さんで、赤い衣装も似合い、一見華やか美人で良さそうなのに、
存在感が今ひとつ弱い。存在感を醸し出すには、場数を重ねるしかないんだろうな。

エスパーダとメルセデスが弱かったので、
ガマーシュやサンチョばかりに目がいってた…。(^^;)

セギディーリャのツートップは小笠原さんと氷室さん。
キレが良くて、闘牛士軍団よりカッコいい。
後半になって、セギディーリャが何か弱い…と思ったら、
二人ともジプシーの早替えの為に居なくなってた。効果絶大。

ジプシーは、その二人と闘牛士軍団から6人。
(闘牛士は居なくなっても気付かなかった。(^^;))
闘牛士で一人だけカッコよかった宮本さんが、やさぐれてる。しかも似合う。(^o^)
柄本兄弟もガラ悪〜い感じが、なかなか上手くてサマになってる。
ジプシーでも、何か無理して悪ぶってそうなのが松下くん。
長瀬くんはやっぱりジプシーも違う。絶対ジプシー内のいじられキャラな感じ。
梅澤くんは何か爽やかジプシー。濃いキャラの東バ男性の中で、
珍しく甘くすっきり爽やか系なので、もっと踊りを頑張ればノーブルもイケるかも。

若いジプシーの娘は元々浮いた存在だけど、吉岡さんだったので、さらに。
井脇さんや斎藤さんのような濃い情念で踊るタイプでもないので、
「あ、パキータ。(素性はジプシーじゃない身分の娘)」と思えて仕方がなかった。

キホーテが倒れて水を欲しても水筒は空。
水と助けを求めにキホーテを残して行くサンチョが、
何度も何度も振り返り、行くのを躊躇う。高橋サンチョ、上手いです。

夢の場。ポワントの音がしない! どうしたんだ、東バ!
街の場でも静かだったのかな? 気付かなかった。(^^;)
(ウルサイと文句言うクセに…)
時折カタカタいうのは、ちびキューピッド。
他は本当に静かで、高いジュテの着地でも足音がしない人もいる。
東バ、やればできるじゃん〜。(T_T) (うれし泣き)

3人のドリアードは吉川さん、渡辺さん、川島さん。
吉川さんは安定してきたなぁ。華奢なだけじゃなく筋肉ついてきたもの。
渡辺さんは、街の場面でも群舞の中で腕の美しさが目立ってた。
街娘にしては優雅だけど、街にも一人くらい、
おっとりおしとやかなコが居ても良いよね。

渡辺さん、川島さんの白鳥を、都合がつかずに見逃したのが悔やまれる。
3人ともきれいな踊りだ。(^^)
4人のドリアードは、森さん、福田さん、村上さん、阪井さんの小柄なチーム。
4人も群舞も静か。

高村キューピッドも、高橋サンチョとともに名人芸の域。
モノにしてるって、こういうことなんだろうな。
でも、ちょっとメルセデスとかも見てみたい。
貫禄というより、可愛くてちょっと気が強くてエスパーダを翻弄する、みたいな。

ドリアードの女王は田中さん。好きなタイプの踊りをする人ではないけれど、
黒鳥以来、確実に存在感が増して目立ってきた。
着実に伸びているので気になる人ではある。
今回は堂々としていて、まさしくドリアード達の女王になっていた。
踊りも、いつもより丁寧に優雅に大きくしている。

本音を言えば、ポリーナ@ドルシネアより優雅だった、
西村ドリアードが観たかったのだけど、田中ドリアードがここまでやってくれたら、
無念さはないな。でも、西村メルセデスも観たいなぁ…。

サンチョが戻り、キホーテが無事なのに安心して、
水筒の水を自分で飲んでしまうのは、お約束。(^o^)

居酒屋は、やっぱり物足りなかった。
メルセデスの振付は背中の柔らかさを存分に見せつけるタイプだから、
奈良さんはちょっとキツい。
後藤さんのエスパーダの踊りは、重いしキレは無いし、
音についていくのが精一杯で、
シムキンくんの後に踊るのが気の毒になるくらいだった。

結婚式では、お約束のバジルとガマーシュのピルエット合戦。
相手がシムキンくんでガマーシュが平野さんだったので、
肩に力の入ったガマーシュが尻餅をついて勝負アリ。
横でシムキンくんがキレイなピルエットをくるくるくる〜。
悔しがるガマーシュ、というパターン。
松下ガマーシュだったら違うパターンだったかも。

カーテンコールでは、手を繋ごうとするロレンツォの手を払い、
キトリの友人にご執心なガマーシュだった。

やっぱりエスパーダとメルセデスは重要なので、
大満足とはいかなかったけど、東バの「ドン・キ」は楽しくて好きだな〜。(^^)
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