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日記一覧
- 正宗白鳥から見た雑誌の盛衰
- 2018年02月26日19:47
出版人にとって雑誌の創刊は心躍り、廃刊・休刊は身が切られるほど辛い。坪内祐三・選『白鳥随筆』（講談社文芸文庫）の四、五の随筆に、「出版界の光景を一瞥し、或いは凝視して」（「今年を回顧して」）来たと自負する文壇人から見た、明治・大正の総合誌・
- かぶれて、つもりになって、抛棄した
- 2018年02月22日20:43
坪内祐三・選『白鳥随筆』（講談社文芸文庫）のつづき。白鳥の青年期における内村鑑三への心酔ぶりは、先に記したとおり随想「内村鑑三」「内村鑑三雑感」などに詳らかである。ところが、なぜ、いかにして離れたのかはあまり言及されていないが、本書に収録さ
- 正宗白鳥が書翰集から炙り出す漱石文学
- 2018年02月21日21:07
正宗白鳥の随筆はおおむね直截かつ率直でけれん味がない。白鳥は読売新聞への寄稿を依頼するため、ただ一度だけ千駄木に夏目漱石を訪問したことがあるというが、それはともかく手許にある漱石全集の『書翰集』の感想を綴った「漱石と私」（「文芸首都」昭和二
- 瀬戸内の「入江のほとり」の生と死
- 2018年02月19日15:04
正宗白鳥『何処へ・入江のほとり』（講談社文芸文庫）の四作目「入江のほとり」は、瀬戸内沿いの田舎町に帰省する長兄と郷里の父母弟妹をえがき、つづいて「今年の春」は父を見送る光景、「今年の初夏」は母の死、「今年の秋」は次弟の死、最後に「リー兄さん
- 正宗白鳥『何処へ・入江のほとり』を読む�◆嵌�光」に光を見たか
- 2018年02月15日19:24
正宗白鳥『何処へ・入江のほとり』（講談社文芸文庫）に収録されている三作目は「微光」である。中央公論の編集者・滝田樗陰が、俥を飛ばしてやって来て「唾を飛ばしながら激賞した」という短編「微光」は、白鳥三十一歳という壮年期の代表作である。白鳥は「
- 正宗白鳥『何処へ・入江のほとり』を読む�／來爾噺嘘�
- 2018年02月13日20:22
正宗白鳥の評論・自叙伝に触発されて、作品集『何処へ・入江のほとり』（講談社文芸文庫）を読み始めた。まず、冒頭の小品「塵埃」は、どうにも評する言葉を知らない。正宗白鳥ご本人は「文壇的自叙伝」などで自作をどう解説しているのだろうか。「私の最初の
- 正宗白鳥「我が生涯と文学」にみる宗教観
- 2018年02月11日19:36
白鳥の「我が生涯と文学」（『内村鑑三・我が生涯と文学』講談社文芸文庫）を語れば、おのずから内村鑑三に及ばないわけがない。「内村鑑三先生は、日露戦争当時、堂々と非戦論を唱えたので有名であるが、先生は、その以前に、徳富蘇峰主宰の『国民之友』誌上
- 正宗白鳥「文壇的自叙伝」の文学者と人生観
- 2018年02月11日19:13
正宗白鳥は「文壇的自叙伝」（『内村鑑三・我が生涯と文学』講談社文芸文庫）で、中央公論増刊に短篇「微光」を執筆した時のことを、「この原稿を読んだ滝田（樗陰）君は、直ちに俥を飛ばして私を訪問して、唾を飛ばしながら激賞したので、私も安心したのであ
- 心酔と冷眼のはざまー正宗白鳥の評伝「内村鑑三」の真骨頂
- 2018年02月06日15:44
若松英輔『内村鑑三ー悲しみの使徒』に、「邂逅に始まり、その存在に心酔し、キリスト教に開眼し、そしてある時期それから離れ、ふたたびその『師』ともいうべき者の声に帰っていこうとする精神の旅路が、じつにいきいきと記されていて、白鳥の代表作の一つで
- 若松英輔『内村鑑三ー悲しみの使徒』の落穂拾い
- 2018年02月01日15:06
毎年、「文化の日」に開催される「南原繁シンポジウム」（南原繁研究会主催）に、かれこれ10年ほど友人の誘いもあって参加し、さまざまな角度からの南原繁研究を拝聴してきた。その南原繁が門下となり、深い影響を受けた内村鑑三について、確かな認識を持ちた
