秋の一日（柳窪編）

今朝は何だか湿っぽいなあ。
駅まで鳥に注意しながら歩いて来たらむし暑く感じてきたよ。こりゃ間違いなく午後から雨だねぇ。
一昨日までは良い天気だったのにね。

さて、“福助”さんで、たっぷりと充実したお昼のうどんを頂いてしまったあとは、自転車で帰るのが、ちょっと面倒になりまするなあ、ビールすら一杯も飲んでないのにこの満足したうっとり感とけんたい感…

ま、もと来た野火止め用水をそのまま戻るより、小金井街道から別のルートをたどって帰ろうかなあ…、そうすりゃまた新たな気持で自転車をこげるってもんです。

んで、降り勾配の小金井街道を下って行くと、見覚えのある川がありました。《黒目川》です。
二、三年前に、ふと思い立って、地図持参で近所のいろんな川を探険したことがありました。
その頃ちょうど、失われそうな里山の田園風景を求めて、あちこち北多摩の里山を歩き回っていてね、多摩湖の周辺を中心にあちこち歩き回ったもんです。トロッコ列車の廃線跡なんて素敵なトンネルの続く道なんてヨカッタですよう。
だから地図を眺めるのが大好きになってねえ。
それが何気なく地元の地図を見たら、なんと細くて青い、川の線が近所にたくさんあるではないですか！
こりゃあ嬉しいなあと、遅まきながらいそいそとママチャリで出かけたんですよ。
その時に、この川も行ったり来たりしましたから、おお、川沿いに西に向かえば《柳窪》の素敵な湧水の里にヨメを案内して自慢できるなあ〜、嬉し。
リンリン…
なんてね。

そうなんです。我が家の近所の東村山市、東久留米市、清瀬市には空堀川、黒目川、落合川、柳瀬川…、実にたくさんの中小の河川があり、それらが合流して新河岸川にそそぎ、はるばる隅田川にまで流れてゆくんですからたいしたもんなんです。
こりゃ僕みたいな川好きにはたまりませんがね(^o^)

行き先を決めてから行ったり、当てずっぽうで行ったりでしたが、川沿いに、思いがけなく鳥や子供たちが水遊びしてる風景や、まだ開発や改修を免れている本来の川の名残りにも突然出くわすことがありました。

その名残りは点々として個性的で、心細いくらいにわずかなエリアではあるんですけれど、宮崎駿監督が散歩して夢想する小さな川辺と森もありましたよ=^ェ^=
如何に狭くとも、思いきり想像して、目をつむり、深呼吸して目を薄めにあければ１００年前の武蔵野を思い浮かべることだって可能です(T^T)

だいたいどの川も一時間くらい川を東に下って行くと、コンクリートの護岸で固められて味もそっけもない景色になってしまうんで、そこで僕のママチャリサイクリングは終了になり、ため息と深呼吸をして引き返します。

帰り道は趣きを変えて、迷ったりしながらも本流を外れ、ゆっくり支流を遡って西へゆきます。

途切れ途切れに、地下に隠されてしまったり、建売り住宅地ばかりになって川筋すら分からなくなったり、岸辺というものがまるで無くなったり…、
それでも地図を見たり、勘を働かせてようやく源流にたどり着けば、なんと、小さな湧水池がありましたよ。
それらは我が家まで自転車で１５分とか２０分の距離でしたから、もう驚きました。

小平霊園のなかにある渇れそうな湧水池は別としても、落合川の源流“南沢緑地”や“黒目川天神社前”の湧水池には、いかにこの地方が豊かな土地であったかを教えられた気がします。

あ、ともに東京都環境局の「東京の名湧水５７選」であり、“南沢緑地”は環境省選定の「平成の名水百選」にも選ばれて、東久留米市の水道源にもなっています。

しかし、流れてゆく川をひたすら時間とお金をかけて改修し、護岸工事をし、真っ直ぐにして水害を防いでくれているのは有難いのですが、所によっては首をかしげるくらい立派な、人の歩かぬ遊歩道まで造ってるのに、鳥や魚の住みにくい環境を造ってしまうのには感心しません。
人工的な親水エリアさえ作っておけば良いという考えは、どうなんでしょう。
なんてことを考えていたら《柳窪》の集落に入った途端に、見事な雑木林やお屋敷、竹林や畠に囲まれました。
道が複雑に入りくんでいますから、何度来ても楽しく迷えるのです=^ェ^=

ところが、今日はヨメを引き連れていますからね、あちこち楽しく迷っているのが、後ろからつつかれる様に、次第に焦りに変わり…(#+_+)

ついに、静かな野火止用水の道に出るのを諦めて、何回も見えて来ては、慌てて避けてた新青梅街道に出ることにしました。

しかたねっす。
今日はこれから上野まで出て行って「大琳派展」を見なければならねっすもの。
トラックや自動車がビュンビュン行き交う新青梅街道をいっさんに走って帰り着けば、“帰りはずいぶんかかったねえ”とヨメの余計な一言。
ふん、１０分くらいだよ…(/_;)
(^0_0^)/~Asai