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2026年09月15日01:09

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《特攻》〜若者たちの絶望と怒り

NHK 映像の世紀バタフライエフェクト 
  特集《特攻》〜若者たちの絶望と怒り〜8/17放映 まとめ

太平洋戦争末期、日本が画策していたのは、『一撃講和論』
敵に大きな打撃を与えて有利な条件で講和に持ち込もうとすること。
マリアナ海峡沖での大敗("マリアナの七面鳥撃ち"と揶揄されるほど日本の戦機がバタバタ撃ち落された)のあと、日本はもう負けるだろうと国も予測していたが、戦争をやめるのに無条件降伏というわけにはいかない、との意地から『一撃講和論』を推し進め、その究極の策が《特攻》だった。

最初に踏み切ったのは海軍。敷島隊の隊長、関行男は出撃の5か月前に結婚したばかり。同郷の上官につよく志願を要望され断れなかったという。
彼が報道班員に語った言葉。「私がこの命を捧げるのは天皇のためではない、国のためでもない、最愛のKA(かかあ)のために逝くのだ。日本が負けたらアメ公らは一気に押し寄せ妻を強姦するだろう。愛する者を守るために私は命を捧げるのだ」
1944年10月関はフィリピン戦で敵艦に突っ込んだ。

陸軍もこれにつづく。志願した特攻隊員「光栄な任務を賜り・・」(小川清)と言って次々出撃。敵艦に多くの打撃を与え「神風」、米兵を震撼させた。爆弾を落とすのではなく命を賭して機体ごと突っ込んでくるのだからそりゃ怖いだろう。米軍も特攻対策をし始めた。特攻は一定の戦果は挙げたものの戦局を変えるには至らなかった。
1945年4月 ついに沖縄本土に米軍が上陸。
特攻は航空機だけではなかった。「回天」という人間魚雷(出撃前の潜水訓練中に事故で亡くなる兵士が続出)や爆弾を積んだベニヤ板のボート「震洋」の開発など。おそまつな兵器でムダに若者の命を奪っただけ。
「震洋」特攻隊の隊長だった島尾敏雄(作家)は、終戦の2日前に特攻命令を受けた。のちにそのときのことを小説に書いている。

挙句の果てに大本営は完成したばかりの巨大戦艦大和にも特攻の出撃命令を出した。「一億特攻のさきがけとなれ」と。
勝ち目のない戦争で”焼けのヤンパチ”というにはあまりにも悲しい。戦艦大和は出港して間もなく10発ほどの魚雷を受け爆薬庫が爆発、3056人の乗組員と共に海の藻屑になった。

特攻隊員の中には、若者がいわゆる自爆で華々しく命を散らすことを”英霊になる”などといって持ち上げる美談を拒む人もいた。その典型が上原良司だった。彼は遺書に、権力国家は必衰と書いている。また以下のようなロマンチックな遺書を残しており、それが英国ロンドンの帝国戦争博物館に展示されている。
「俺は戦死しても天国に行くから靖国にはいないよ。」「天国で愛するきょうこちゃん(幼ななじみの石川�道�/別の軍人と結婚するが結核で死亡)に会うのが楽しみだ」など。

*慶應義塾大学経済学部出身の上原良司(1922-1945)が、陸軍特別攻撃隊員としての死を前にして書き残した手記は近代日本史上軍人が書き残した遺稿中で最もよく知られているものの一つ。彼の遺稿は,戦没者遺稿集として長く読み継が れている『きけわだつみのこえ』の本文の一編に収録されているだけでなく、すべての遺稿の総論的な位置づけのプロローグとしても採用されている。
彼の遺稿は「自由主義者」を自称し特攻を実行する自己を「自殺者」であると相対化する眼差しを自ら言語化している。さらに権力主義、全体主義の国家は「必ずや最後には敗れる」とまで言及する内容の鋭敏さから,学徒兵を思想史的に分析する試みにおいてもしばしば引用され,論じられてきた。

戦後混乱期、復員兵たちは軍国主義の象徴と思われ冷たい視線にさらされた。戦時中死ぬ訓練を受け死をも恐れない強靭な人格変容を強制された若者たちは、平和な世の中になってもそれを受け入れらず世間もまた彼らを受け入れられない。彼らは"特攻くずれ"とよばれ、新興やくざになった。その筆頭になったのが安藤組組長安藤昇。安藤昇は戦争末期は”伏龍隊”(潜水具をつけて海底に潜み敵の上陸用舟艇を竹やりで衝いて爆破する)に所属。戦後は組を興し実業家横井秀樹を襲撃して服役。出所後、俳優に転向して多くのやくざ映画に出演した。
「生きようとしてかなわず死のうとしてかなわず おのれのあずかり知らぬところで運命は変わってくるものである」(安藤昇のことば)

最後の特攻隊員といわれる茶道裏千家家元・千玄室(本名:政興)は、知覧で出撃を待っているときに終戦。同期に俳優の西村晃がいる。生きて帰ったら俺に茶をたててくれといって多くの同期が散っていった。彼は終戦後『一盌からピースフルネスを』を掲げて世界平和のための活動を実施、「空飛ぶ家元」と呼ばれ、世界じゅうでお茶をたて駆けまわった。今年102歳で永眠。
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