マウリッツハイス美術館は、南オランダのデン・ハーグにある王立美術館。
ハーグといえば今トランプ米国大統領に赤根裁判長らが理不尽な制裁を加えられているICC(国際司法裁判所)の本部がある都市だ。
コレクションはオランダ総督ウィレム5世と、その子のオランダ初代国王ウィレム1世の収集が中核となっている。開館したのはウィレム1世の時代、1822年。美術館の規模はさほど大きくないが、17世紀のオランダ・フランドル絵画の優れたコレクションで知られる。中でも世界に三十数点しかないフェルメールの作品のうち3点がここにあることで注目されている。
8〜10月の間、改修工事のため休館中で、その期間中フェルメール大好き国の日本が「真珠の耳飾りの少女」の借り入れに成功し、それを目玉にした展覧会が大阪の中之島美術館で開催されている。
ありがたいことに激戦の抽選に当たった。金曜19時の予約。
30分前に行くと時間指定のグループごとに館内に並ばされる。
1時間前の18時予約の人たちの入場がようやく始まったところ。
多分この後より遅い時間指定枠はないので自分たちが最終グループ。
入り口前にはマウリッツハイス美術館から来日した作品の一覧が。
■歴史画
ピーテル・ラストマン 「ラザロの復活」
セイザル・ファン・エーヘルディンヘン 「正直者を捜すディオゲネス」(ある家族の寓意的肖像画)
■肖像画・トローニー
フランスハルス「男の肖像」
レンブラント・ファン・レイン「笑う男」
■風俗画
ヘラルト・テル・ポルフ 「ゆりかごの傍らで縫物をする女」
ヤン・ステーン 「老いが歌えば若きが笛吹く」
■静物画
ヤン・ダーフィッツゾーン・デ・ヘーム 「宝石箱と果物のある豪華な静物」
マリア・ファン・オーステルウェイク 「装飾的な壺の花」
■教会内景画
エマヌエル・デ・ウィッテ 「想像のカトリック聖堂の内部」
■風景画
パウルス・ポッテル 「水に映る牛」
■ヨハネス・フェルメール作品2点
「ディアナとニンフたち」
「真珠の耳飾りの少女」
えっ?たったこれだけ?・・というくらいの展示作品の少なさ。全部で12作品。
でもこれら歴史画、肖像画、静物画、風俗画、風景画を順調に見終わってからが長い。
延々列を作って移動するのだ(大阪万博を思い出す)。
動線はよく考えてられていてさすがだなと思う。
まず並ぶだけの部屋へ誘導されるがそこには全長20mのスクリーンがあり、フェルメールの生涯と描いたモチーフを全作品でたどることができる。世界中に点在するフェルメールの全作品が、実際の比率に基づいて集結するほか、通常では見ることができない拡大投影で《真珠の耳飾りの少女》の魅力に迫るなど、デジタルならではの迫力ある展示体験で名画鑑賞への期待が高まる(By TOPPAN)
寡作のフェルメールの全作品と所蔵先(美術館名)も並んでいる間何度も確認できる。
宝石、音楽、科学、風俗などテーマ別編成版もある。大スクリーンの部屋から出たら次はフェルメールの全作品が原寸大のパネルで展示されている壁。観たことのある絵がいくつかある。
ルーブルやアムステルダム、NYメトロポリタンやフリックコレクションのものなど。
ただスクリーンやパネル展示も撮影は不可。撮影可能なのは次の会場のフェルメールの作品2点のみ。
第一会場の「ディアナとニンフたち」はまぁまぁ大きい作品。
衣装や肉体の陰影表現が素晴らしい。フェルメールがまだ古典や神話に取材した歴史画を描いていた初期の作品。
それを見終わったら第二会場へ。
いよいよ「真珠の耳飾りの少女」とご対面だ。とはいえかなり遠方に見えているのを確認しながらスロープ状の進路をゆるゆる進む。今か今かと気持ちが高揚する仕掛け。
1時間ほどかかって最前列に辿り着いたら拝めるのは一瞬だけ。正面から写真を撮れるのは1回のみ。
せつない邂逅は一瞬にして終わる。この経験みなさん大阪万博で慣れているようだ(笑)
出口手前の壁面には有名人が残したフェルメールへの賛辞が書かれていた。
・フェルメールは太陽の画家ではなく月の画家である (アーシル・ゴーキー/ 画家)
・レンブラントやフェルメールなどの偉大な画家たちは、死後もなおその作品を通して独自の光彩を放ち続けている (マルセル・プルースト / 作家 )
・デルフトのフェルメールを知ってるかい?彼の絵は青、レモン色、明るい灰色、黒、白だけで描かれている(フィンセント・ファン・ゴッホ/ 画家)
フェルメールを見に行くときはいつも胸がどきどきします。まるで恋人と会うときのように (谷川俊太郎/ 詩人)
19時半に入場、見終わったのが21時半。それでも昼間よりは比較的スムーズだったと言える。ミュージアムショップは流石に閉まっているだろうと思っていたが、出口前方に人だかりが(さすが商魂たくましい)。
ミュージアムグッズを買うのにも入場券がいる。展覧会を観た人しかもらえない、改札で1人1枚渡されるのだ。それを提示してショップ前でまた並んで順次入場。展覧会目録は2600円と良心的だがその他がバカ高い。すぐ破れそうなぺらぺらの(エコ?)バッグ6000円とかスカーフ12000円とか。
1人1個まで限定のミッフィーぬいぐるみ真珠の耳飾り少女モデル・大が5500円、小が2800円。でも買ってしまう(商売上手、笑)
美術館は通常は5時に閉まるのに、この期間職員の時間外労働手当てはいかほどだろうか。などと考えながら帰途についた。
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