amazonプライムで、映画「1984」を観た。
原作は有名なジョージ・オーエルのディストピア小説「1984」←村上春樹のファンの必読書でもある?
なんとタイトルと同じ1984年に公開された作品なのだ。
マイケル・ラドフォード監督はこの撮影期日に拘ったらしい。
1984年はどんな年だったのだろうか?個人的には社会人2年目。日本はバブル景気でわいていたと思う。時代の空気は明るく音楽映画、娯楽映画が多かったためにこんなディストピア作品が公開されていたことは全く知らなかった。しかしこのテーマ曲はよく知っていた。ユーリズミックスのテクノポップだ。
1984 SEX CRIME
1984年公開された映画を調べてみた。『フットルース』『パープルレイン』『ストリート・オブ・ファイヤー』などレコード・セールスを目的とした映画作りがブーム。
『ゴーストバスターズ』『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』などエンタメ映画全盛の時代。これらは全部見たし映画音楽も全部知ってる。でもこんな時代にこんな映画も作られていたとは。
監督のマイケル・ラドフォードは「銀残し(ブリーチバイパス)」と呼ばれるフィルム処理技術を用いて(当初はモノクロで撮影しようとしていたらしいが)、全体主義国家に統治された未来世界の恐怖を描くとともに、オーウェルが小説を書いていた1940年代当時の惨憺たる戦後世界を描くことにも成功している。
※「銀残し」というフィルム処理は低彩度の洗いざらし感を演出し、カラー映画なのにモノクロ映画のような色調と渋さを表現することができる。
核戦争後の未来国家オセアニア。ずっと戦争をしている。そう、ずっと戦争をしていることでこの国家は持続可能なのである。
家にも街頭にもモニターとスピーカーが置かれ、戦果や生産性アップに関する情報だけが国家から一方的に流される。その他の情報は一切なく国民側からの発信も禁止。国民はひたすら洗脳されるのみ。文化芸術的なものや表現活動は罪に問われる。国民はお互いを同志と呼ぶが、国民同士のコミュニケーションは制限され行動は常に政府に監視されている。
主人公ウィンストン・スミス(ジョン・ハート)の職務内容は、愛や個性や娯楽を禁じる党の外部党員として過去の公文書を偽造すること。
国家の指導者BB(ビッグ・ブラザー)はソ連のスターリン、反政府組織の中核人物ゴールドスタインは、レフ・トロツキーを想起させる。
腕を上げ、手首を小さくV字に交差させる敬礼は、ナチス式敬礼を想起させるものであり『ピンク・フロイド/ザ・ウォール』(82)でも見られる。クイーンのPVでも見たような気がする。
主演のジョン・ハートはちょっとデビッド・ボウイーに似てる。この映画は助演のリチャード・バートンの遺作でもあるとか。
ジョージオーエルの本「1984」は、スターリン体制下でのソ連や英国労働党のような社会主義のもろさを暴露したもので厳密には未来を予測した話ではない。第二次大戦後の全体主義のほころびを辛辣に暴いているだけである。が、その後の戦後史をみていくと、オーウェルが著したような監視社会、全体主義の中での個人の撲滅、歴史の改ざんといったことが公然と行われる社会が現実になってきている。
第3次世界大戦(核戦争)が起これば、敵味方双方つまり地球自体が滅びるということがわかったので、戦後いったんは地球をひとつの共同体とした環境保護や世界平和の方向に向かっていたはずであったのに、核保有国は増え紛争や戦争はつづいているし、いまや国連は機能不全になり、G7が他国を侵攻するという暴挙がまかり通り、今また100年前と同じ状態にもどりつつある。
『1984』は空想の産物ではなく現実となり、BB(ビッグ・ブラザー)は今では世界の様々な国に存在することを実感する。
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