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2024年04月12日23:14

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砂と十割


某マイミクさんのコメント通り、
長尺の不安など吹っ飛んでしまう、
あっという間の3時間だった。








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平日やや早い夕方だった為か、
お客も少なく、ゆったり観れた。

part oneを観てない人は放り出される潔い続編展開で、
グイグイと進んで行く。
今回のpart twoもpart oneも書体が小さいので見落として、
part oneの存在知らずに初DUNEというお客さんもいるかも知れず、
そうするとかなりわけが分からないだろうなと思った。

ハーバートの原作(砂の惑星)を読んで、
80年代のリンチ監督による初映画化版を浴びて、
2020年代にヴィルヌーヴ監督のpart oneを観ている・・・
幸いそうしたルートを辿って来た自分にとっては、
今作part twoは凄く面白かった。

前作part oneがある上に今回も長尺3時間、
80年代上映のリンチ型に対しスケールがゆったりしているのだが、
それでも大河ドラマ総集編の様な盛り沢山な濃さ。
その時間の中でスパイス、覚醒、イニシエーション、メサイア信仰等、
DUNEのヘンな世界が長く再現されている。

中学生の頃、
ハヤカワ文庫(石森先生のイラストのやつ)の「砂の惑星」に出会った時も、
ヘンだと思った。聞き慣れない言葉の注釈のオンパレードに魅せられた。
ゴムジャバール、シャイフルド、サルダウカー、メンタート、メランジ・・・
今作の字幕で出て来る「ムアディヴ」「クイサッツハデラック」は、
どうしてもハヤカワ脳で「ムアドディヴ」「クイサッツハデラッハ」に変換される。








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そしてリンチ版では変態グロ丸出しだったハルコンネン家が、
今回のヴィルヌーヴ版では、
同じ冷酷残虐家系でも、ゴス的なモノトーンで美しさも感じられ、
美しいジャイアンの様な(違)ハルコンネン家になっている。

ハヤカワの石森先生のイラストでは、
個人的にDUNEという作品のビジュアル観が今ひとつイメージ出来なかったのが、
リンチ監督の映画で、今度は強烈な映像をぶっかけられた。
カイルマクラクランとスティングの決闘シーンをはじめ、
最早自分の青春時代に刷り込まれたそのものであり、
長らくDUNEと聞けば脳内に君臨する映像世界だった。

しかし嬉しい事に、ヴィルヌーヴ版のpart one&two合わせて一本で、
ついに新たなDUNE映像世界を持つ事が出来た。
スタイリッシュで美しいDUNE。

いやあ、今を生きてて良かった。
そうそう出会えない面白い映画を観ると、
生きてて良かったと思える。

リンチにもヴィルヌーヴにも、
マクラクランにもシャラメにも、
スティングにもバトラーにも・・・
・・・感謝。








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帰り道、感謝の念で啜る。
沁みた。



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