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2024年04月06日12:43

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女賢しくて牛売り損なう

 新しく始まったNHK朝ドラ「虎に翼」の1週目のタイトルは「女賢しくて牛売り損なう?」。変なタイトルだなと思って調べたら、「女は利口のようでも大局に通じないため、かえって事を仕損じる」「女が利口なようすをしてでしゃばると、かえってその浅知恵を見すかされて物事をやりそこなう」というような意だと書かれてあった。恥ずかしながらこんなことわざは初めて知った。ドラマのタイトルは、この後者「女が利口なようすをしてでしゃばると……」の意を反語的に使ったようだ。
 それにしてもこのことわざ、なぜ「牛売り損なう」というたとえになったのだろう? 昔は女性も牛を売り買いするようなことがよくあったのだろうか?

 話は変わるが、このところ立て続けに獅子文六の小説を読んでいる。中学生の頃、「悦ちゃん」を読んで以来ファンになり、その著作はたくさん読んできた。ただ、戦前戦後の混乱期を描いた小説だけはどうも食指が動かず、これまで読まずに来た。それがどういう風の吹き回しか、急に読みたくなり、まず昔買ったまま読まずにいた氏の代表作とも言える「大番」を読み始めた。田舎の貧しい農家に生まれ育った少年が、東京へ出て、相場師として活躍する波瀾万丈の生涯を描いた小説で、これがすこぶるおもしろかった。
 そこで次に「てんやわんや」を読み、そして昨日から「自由学校」を読み始めたのだが、その最初のところに、「女賢しくて牛売り損なう」が出てきて驚いた。何という偶然だろう。
 小説の方では、「女賢しゅうして、牛を売り損なった」と書かれ、今回調べた辞書にも「女賢しうて牛売り損なう」という表現になっていた。このことわざの由来は調べた限りどこにも見当たらなかったが、何となく漢文の訓読のような感じがするので、ひょっとしたら中国の故事から来ているのかもしれない。確証はないけれど。

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