陽は舞い踊る甲子園2024〜25〜

阿南光の吉岡君は初戦で11奪三振。2回戦では14もの三振を奪ってベスト８進出。ボクはこの阿南光に夏の第100回大会で準優勝した金足農の姿をかぶせていた。

エースの吉岡君が主体のチームが今日挑むのは秋の王者星稜だ。これを破れば次々と優勝経験のある強豪をなぎ倒していったあの時の金農が蘇るかと・・・・

阿南光の先発は吉岡君ではなく大坂君だった。秋の大会は2イニングを投げただけだったが、おそらく序盤を粘って途中から吉岡君という構想だったのだろう。しかし初回に1点を失うと2回には4連打で３−０とされてなおも無死1・3塁で吉岡君がマウンドに上がった。すぐさま併殺打に取ったがその間に1点を失う。3回以降は1失点に押さえたが打撃陣が星稜の先発戸田君の前に完全に押さえられた。2安打無四球での完封だったのだ。

５−０。もし吉岡君が先発していればという思いもあるが、チームの勝利と言う意味では星稜には及ばなかったような気がする。だが森山君を擁して夏に出てきたときのように吉岡君もこの夏もまたさらにスケールアップした姿を甲子園で見せてくれるはずだ。

吉岡君がマウンドに上がった時、完全に劣勢だった阿南光のナインに改めて力が注入されたように見えた。そして今日は打たれてしまった大坂くんももし今日吉岡君が先発していればその登板機会はなかっただろう。自分の立ち位置を認識し全国の力を知った彼が今後吉岡君だけに頼らない第2エースとして成長してくれば今日の敗戦は多いに意味があったと言えるだろう。

夏にもう一度この甲子園に戻ってきてジャイアントキリングを繰り返す県立高校の雄姿を見たいものだと思った。あの時の金農のように・・・・



2024年3月28日　第96回選抜高校野球　準々決勝（於　阪神甲子園）
星稜
130 100 000 = 5
000 000 000 = 0
阿南光