能登半島地震の際に盛んに報じられた正常性バイアスと同調性バイアスは、組織変革の際にも見られます。
組織変革は、競争の激化や社会環境の変化など、外部からの圧力によって必要とされます。
しかし、それらの外圧が組織にかかったときなかなか変革できない、変わるべきことは説明しているのに動き出せない人たちが殆どです。
組織内で長年続けられてきた業務やルールが、変革の圧力によって揺らぐことは、予期せぬ地震のようなものです。
会社の外の世界で異変が起きていることはわかる、でもこれまで何年も続けていた仕事があるし、それに周りの人達もあんまり動揺していないし、大丈夫だろう。
そう考えて変化が起きたこと自体を何事もなかったかのようにやり過ごしてしまう、そんな人がほとんどです。
ある研究によれば、緊急事態が発生したとき、パニックに陥る人は全体の10%程度、すぐに避難などの適切な行動を始める人も10%程度いるそうです。
そして、驚くべきことに残りの80%の人はなにもせずに状況を見守るのです。
これは、問題がないと考える正常性バイアスと、周囲に合わせて行動しない同調性バイアスによるものです。
組織変革では90%のパニックに陥っている、あるいはバイアスによって行動しなくても大丈夫だと考えている人たちを動かす必要があるわけです。
これは並大抵のことではありません。
自分たちの状況が如何に危機的なのか、正常性バイアスと同調性バイアスの中にある人にどう気づいてもらうか。
組織変革は、人間の認知との戦いでもあるのです。
以上
【最近のGratitude】
・The joy of being celebrated for challenges
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