会社員じゃないのだから3連休の最終日を迎えて鬱な気分に陥る理由はない。にもかかわらず、朝起きた時から気持ちが萎えていた。
昨日8日日曜日の午後3時、かれこれ4カ月近く見直しを続けてきた厖大な入稿原稿修正を終えて、1時間くらい解放感に浸った。一日欠かさず向かっていたため、長かったというような感慨はないものの、ちょっとした達成感はあった。
作家であるマイミクさんが新刊発売に合わせて書店回りをしている。今日は千葉と神奈川がメインなので、最終地点は（いつもなら）藤沢だろう。なので、藤沢か一つ東京寄りの大船でラーメンでも一緒に食べよう。それくらいなら私が奢ってしんぜよう。
ということで連絡をとり、夜の6時半か7時あたりで落ち合うことにした。
その間、本を読む気にもならないので、前日シャンプーをしてあげてふわふわ状のラズリに抱きついてみたり、家中の床にワックスを掛けたりして、何も考えない数時間を過ごす。
夜6時半近く、大船駅の改札で待ち合わせてマイミク作家さんと人気ラーメンチェーン店「豚山」へ。珍しく行列もなくほぼすんなり入店と、幸先がよかったものの、いざ食べてみたら（わたし的には）イマイチだった。そこまで美味しいラーメンじゃないのか、自分の舌が傲っているのか、量の多いラーメンを食べるだけの若さがもうないのかもしれない。年齢によって味覚は変わる。ここ数年来、子ども時代の好みに還ってきた。（母特製の）シメサバとか、（晩秋から春にかけての）カキフライとか、ケチャップを使わない昭和の黒っぽい酢豚とか、ユーハイムのフランクフルタークランツやバームクーヘン。
いや、そもそもがフード保守だ。豪華な創作料理は苦手なくらい。いまは一つが千円近いプリンやモンブランもその値段ゆえに食べたくならない。
ラーメン店を出たあと、駅ビル1階にあるドトールへ。ここは唯一、私が年に複数回訪ねるカフェで、割と居心地がいい。昼間しか入ったことはない。いつもほぼ満席なのだが、夜ゆえか空いていた。
話が弾む。人間力がある人は、見ていていい意味で面白い。逆にまた真なりで、頭はそこそこにいいけれど取り柄はそれだけという公務員みたいな人はつまらない。私自身は微妙で、ある意味公務員的な小市民性があって、他方、堅実で無難な道を歩む能力に長けているとは言い難い。
午後9時閉店ゆえ、その5分前あたりでドトールを出て、大船駅にて解散。割と気温は低めだった。夏から秋を通り越していきなり冬。これからは四季じゃなくなって、夏と冬しかないかも。
うちに着いてすぐにテレビをつけ、少しは気になっていたラグビー・アルゼンチン戦。残り時間10分弱だった。予選敗退になって、選手もサポーターも本当に気の毒だと思う。しかし、劇的な逆転劇で本戦に上がったら、ニュースでも朝の情報番組でもラグビー一色になって、大日本帝国時代と同様、ニッポンすごいの自画自賛がこれでもかと続く。大谷選手になんの怨みもないのだが、毎日毎日大谷の話題を国家の予算審議だとか原発汚染水処理とかの5倍かけて報道する、というのがうざい。
アジア大会はサッカー中継だけ観たのだが、解説の福田が誰でも知っているようなことを喋り続け、おまけに大政翼賛会のような精神論を唱えるものだから、それに反発を覚えてずっとシラケてしまった。公平な目で解説せよとまでは言わないが、せめて日本7相手国3くらいの配慮で語ってもらいたい。
今日からまた新たな作業段階に入る。
これが思っていたよりも遙かに難しいことが午前中でわかった。
先が見えない。不安でもあるし、投げ出したくなるような気分にもなる。
半日だけだがサボることにした。で、久しぶりにヤフオクを覗いたり、100分de名著の『自省録 マルクス・アウレリウス』をつまみ詠みしたあと、この日記を書いている。原著を手に入れて読んでみたくなった。
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