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2023年05月10日20:15

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弱気の虫

 ”想定外”の出来事に弱くなった。これも年齢から来る衰えだろう。
 昨日の午後7時、お風呂に入る前にメールをチェックしたら、1カ月半ぶりに出版社から仕事のメールが入っていた。返信するだけなら簡単だが、時間をかければかけるほど内容が濃くなる類いなので、いったん風呂に入りながらしばし熟考しよう。
 午後8時半から資料となるものをいろいろと見較べたり、入稿原稿を斜め読みしてから、ようやくメールの返信をした。iMacをオフにしたのは午後11時過ぎ。心身ともにどっと草臥れ果て、肩で息をする始末だった。
 クスリを飲むまであと1時間半。疲れた時のルーティンで、ChromebookでYouTubeにアクセス。音楽でも聴こう。無性に昔好きだった曲を聴きたくなって、手始めにJ-walkかな。
 ほとんどヒットしなかった曲だがCDの一曲目にあった「言えなかった言葉を君に 」が思い浮かんだ。
 あった、あった! 
https://www.youtube.com/watch?v=Sv5dnj4i7x8
 PVなのかそれともアップした人の創作なのかわからないが、5秒おきに街のカップルが次々と出ては消える、という単純な動画が曲とともに流れた。
 幸せそうな若いカップル、女の子がうるうるした瞳で彼氏を見つめる様子、照れてるカップルetc.
 恋愛が人生の主要道から脇へと追いやれている時代だ。昭和の時代、書店のメイン・ストリームは作家別の小説棚で、文学の6割か7割は恋愛小説だった。それが平成になって以降、少しずつ脇へと追いやられ、代わりに浸食してきたのが自己啓発系とビジネス書と、著者ではなくゴーストライター(と編集者)が書く時の人の”バカ"本だ。いまならホリエモンとかひろゆきがこれに該当する。年に15冊なんて書けるわけがないやろ、と普通の人間なら思うはずだが、こういう人間を舐めきった本が次から次へとどぶ川のあぶくのように湧いては消えていく。で、恋愛小説なんて鼻っから相手にされず、書き手のほうも下手に恋愛を扱うと、ジェンダー問題に抵触しかねない怖さがあるし、恋愛不全の潮流に棹挿すチャレンジングなことをしたくない。いやな時代になった。
 J-walkのボーカル中村耕一さんは覚醒剤取締法で検挙され、執行猶予の判決が出たのち、バンドから離れ、いまは地味にソロ活動をされている。初めて中村さんの歌う姿を見たとき、キリストに容貌が似ていると私は思った。自分とは対極にある顔立ち、ということもあるのだろう、とてもかっこよく見え、ボーカルも含めてファンになった。
 覚醒剤を使用したくらいで、後半生を全否定されるほどの罪なんだろうか。彼が逮捕されたのは2010年で、この頃からネット民は次々と”生贄”を見つけ出しては溺れる犬を叩くが如く、罵詈讒謗を浴びせた。何もできやしない人間にとっては楽しい憂さ晴らしなのだろう。こういう輩が、韓国人や中国人に対してヘイトスピーチをするのだろう、とも思う、このクズ野郎。
 結局、懐かしのメロディ(といってもJ-WalkやKICK THE CAN CREWなど)を午前1時近くまで聴いてから眠りに就いた。

 5月10日。
 昨日の疲れがまだ取れていないような、朝の気怠さ。
 午後から自転車で5キロ先の隣町へ行き、ドラッグストアでビタミン剤と鉄剤、スーパーでパンを買って、ブックオフの大型店舗へ。
 入店してすぐ、北上次郎さんがたびたび熱く紹介していた作家の小説があれば買いたいと思ったのだが、思い出せない。一昨年あたりからよく起きがちな"記憶障害”で、頑張って頑張って記憶を辿ると3時間後くらいにふわっと名前が出て来ることもある。
 が、ブックオフ店内ではとうとう思い出せなかった。うちに帰ってネットで調べてわかった。河崎秋子だった。
 今後は、システム手帳に本と作家の備忘録リフィルを用意し、気になった作家や作品は逐一メモして常に手帳を携帯しよう。
 自転車を走らせながら、気が重く感じられた。年を取るとみんな劣等生気分になるのだろうか。
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