ぼくは人付き合いが悪いほうではないと思う。
これまでも、家族や友人、知人、お仕事関係の方々などから誘われれば、努めてお付き合いを心掛けてきたと思う。
皆と仲良くすることは勿論悪いことではないし、生きて行く上で大切なことだと分かっている。
だが、しかし。それよりも大切なことがあることを、ぼくは知っている。
それは自分の内面に「孤独の部屋」を持つことだ。自分以外に知る由もない自分。秘密にしている本当の自分の姿。普段は自分でも気づかないほど自然に、ぼくの胸中奥深くで何気に存在する部屋なのだが、その部屋の扉には鍵がかけられており、当然、扉の鍵はぼくにしか開けられない。・・・それが「孤独の部屋」なのだ。
その「孤独の部屋」には、真実ありのままの自分が、生きてい行く上で本当に必要な事柄と信念、思想のようなものがいっぱい詰まっている。
その部屋の扉を開けて、独り佇むぼくは、いつでも決まって孤独感に苛まれている。
誰にも知られない部屋の住人であるぼくは、そんな自分を誰かに理解されたいと望んでいるわけではないし、むしろ理解されないことが普通であることを自分でも分かっている。それでも時々、耐え切れないような心の痛みや寂しさを感じることもしばしばだ。
それでもぼくは知っている。この孤独感こそがぼくが生きて行く上での支えとなり、他のすべてを投げ打っても守りたいぼくの人生における「宝」であることを。
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