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2022年12月04日23:03

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年年歳歳人相似　歳歳年年花不同

11月27日（日）　朔風払葉（きたかぜこのはをはらう）
晴れ。暖か。

本を返しに小川西町図書館に行こうと、すぐ近所の府中街道を越えたとこにある「九道の辻公園」をのんびり歩いてたら、樹々の秋のお化粧が華やかで、まあ、きれいなこと！
そうか、本の貸出期限が二週間でさらに二週間延長したから、もうひと月近くもこの道を通ってなかったんだなあ。
よくもまあ、こんなにきれいに変身できるもんだ…
まてよ、こうもたかだか町中の紅葉に単純に感動しちゃうってのは、ひよっとしてお化粧嫌いの女性と暮らしてるせいなのかも

いや、化粧嫌いって言うより、朝の洗顔もしないから単に面倒くさがりなんだろうなあ。う～む…でも、ひとときの紅葉狩りの浮気が出来た気分になれたから、ちょっぴり得した気分になりました。

そしてさらに少し野火止用水沿いに歩いて西武国分寺線の単線の小さな踏切を渡り、ひときわ目を引く、しかるに既に語るには及ばない「草門去来荘」の門を過ぎたところで、大ぶりの薄紫で背の高い花が咲いてるのに出会いました。
え、なんだなんだ！？
もう何十年と歩いてるってのにどうして気がつかなかったんだろ…

う～ん、どっかで見た記憶があるんだけど、何の花だっけ？
秋、それももう晩秋なのに、どこか夏の盛りのほうがふさわしいような花だなあ…
思いがけなく、紅葉の後に見事な花にも逢えてうれしくなりました。

図書館でも、借りたい本がなかったのに、帰り際に再利用の本（図書館として所蔵する意味の薄れた資料、本・雑誌のリサイクルとして一人10冊までいただけるんです）が置いてある棚をのぞいてみたら、なんと「田辺聖子珠玉短編集」なんて素敵な本が①➂④⑤巻と4冊もあるじゃないですか！
喜んでリュックに入れて持ち帰り、さっそくヨメはんから取り返した、お気に入りの陽の当たるリクライニング椅子で読み始めたら、最初の「ジョゼと虎と魚たち」って作品にもう背筋がぞわっとしてしまいました。
頁をめくるたびに主人公の若い二人に窓からの強い光があたります。
愛の情景の流れ方が生き生きと激しく可愛くて、切ないのですよねえ。

読み進めるうちに、主人公の魅惑的な女の子の、「ジョゼ」になる前の名前が山村クミ子って書いてあるのにびっくりしてしまいました。
だってヤマムラさんとは、もうお付き合いが半世紀以上になろうというのに、逢う度に新たな畏敬と愛情が交互にわいてきて、それらが彼女とワインを飲みながら語り合う間に、もうないまぜになり、不思議な困惑の果実を味わってるようになってしまうのですから、ジョゼがさらに愛しくなりました。

何て佳い日なんだろ。
うっとり本を閉じて目をつむってたら、ネットラジオから美しいピアノ曲が流れてきました。
たまらずパソコンの所まで行ったら、尊敬するポリーニ、マウリツィオ・ポリーニ氏のー
「Chopin: Berceuse in D-Flat Major, Op. 57」でした。

はて、Berceuseってどんな意味だろうと調べたら「子守唄」なんでした。
生活クラブに買い出しに行く前に少しウトウトしてもいいよ、ってことなのかな…

生活クラブでもあれほど高価だった筋子が一腹2、680円なんて手ごろな値段で買えたし、テーブルの上に置いて鑑賞していた大きな柿がよく熟れてきて白和えに丁度よさそうだし、インゲンの胡麻和えとカマスの一夜干しに、いつも両方の名前がどっちか言えない「カリフラワーとブロッコリーのサラダ」なんてメニューでがんばっちゃおう、と気合が乗ってきたのですが、どうにもあの花が気になるので、ネットで”晩秋の薄紫色の背の高い花”って入力して検索したら、すぐに「皇帝ダリア」って答えが