mixiユーザー(id:18419990)

2022年10月07日23:25

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お金のむこうに人がいる@読書感想文

 これはもはや革命的な書かもしれない。ゴールドマン・サックスという資本主義まっただ中で働いていた人の著書なのに内容は実に共産主義的だ。

 MMT理論についても小気味良く説明している。国の借金がいくら増えても大丈夫。借金と同額の預金があるからだ。国債のほとんどは日本国民または日本銀行が持っている。拙いのは負債を外国が持っている場合で、そうなったら財政破綻する。働かない国が財政破綻するのであって、働いている我が国は大丈夫。政府の借金が日本国民の預金に回っただけで、本気で借金を減らしたければ増税すれば良い。そうしないのは経済を考えているからだろう。

 本書はお金で物事を考えるからいけないと言う。お金を払うという事は誰かに働いてもらうという事だと言う。お金を持っているというのは過去に自分が働いた事により他人に働いてもらう権利を得たという事だ。

 原始共産社会では人々は自分の得意な事をして苦手な事は他の人に任せていた。魚を獲るのが得意な人は余分に獲った獲物を、山で獲られた獲物と交換して両者は両方の獲物を享受できた。お金ができたおかげで面識がない赤の他人からもそうした交換が容易になった。いつしか、こうした構図が分かりにくくなった。お金のせいだ。だからお金に焦点を当てるのではなく人に向ければ経済はシンプルになる。

 資本主義社会は限界にきていると言う人がいる。加速主義、資本主義を加速すればやがて資本主義は崩壊するだろう。リバタリアニズム=自由至上主義、等々ややこしい主張が巷に徘徊している。
 それらはお金で考えているから、ややこしくなるのだ!人で考えたら極めてシンプルになる。社会を何と名付けようと助け合いの社会である事に変わりは無い。
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