とても解りやすい!資本論10〜20ページ分の労力で読破できそうだ。マルクスだって自分の著書を読み難くする動機はないだろうに一体全体あの難解さはなんなのか?
そんなんで私は挫折して入門書みたいのを読み漁っているのだが、そこにはどうしても解説者の主観が入る。だからマルキシズムを知った気になってはならない。また共産主義を目指して挫折した諸国の指導者がちゃんと資本論を読んでいたのかも疑問だ。
本書の著者は資本論をちゃんと読んだ人だと思われる。だから先を行っている。
私が唯一理解している(いや大勢の解説者がそう言っているから、そうだろうと思っている)マルクス主義の主張は
「労働が価値を生む」
だが私たちは経験的にそうではない事を知っている。例えば私がやっていることが最たる例だ。私の写真撮影これが労働ならば、これをいっさい発表しなければ価値はまったく生じない。
ところで本書は価値と価格は違うと述べている。前々から思っていた事を見事に説明してくれた。そうだ!多くの人が混同している!私もそうで目から鱗が落ちた。
ブランド物と同等な物が100均で販売されている#後注
自分の労働に高い価格をつけるのに合理的な行動は、いかに怠けて高い給料を受け取るかだ。この行動を大勢が行えば経済は停滞する。
本書では価値を「効用」と言い換えてもいる。効用とは、そこから何かを得る事。普遍的な例は思いつかないから私的な例を上げよう。
私のバイク、ポンコツでボロボロで価格は無いと言って良い。だが私にとっては宝物だ。様々な楽しみを与えてくれる。これが効用だ。価値とは誰かを幸せにするものなのだ。
自分の労働に高い価値をつけるとなると自ずから違ってくる。最終的に誰を幸せにするのか、それは顧客だが中間労働者は会社が間に挟まってややこしい。それを見えにくくしているのが「お金」だと本書はいう。
#法外な安価で販売されるのも考えものだ。かなり前から有識者は警告していたが、安価な商品を製造するには安価な労働力を必要とする。デフレスパイラルの元凶だ。
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