神宮スズメの独り言2022春〜59〜王手

まるで昨日の逆のように見えた。昨日は立教が先攻。そしてエースの荘司君と9回まで心中するという采配。明治は０−０から8回からリリーフに送った高山君が打ち込まれ３−０とされた。

今日は明治が先攻。村田君を最後まで引っ張った。田中監督は昨日の投手交代が頭に浮かびもうお前に任せたと腹をくくったのかもしれない。逆に立教はどうだったのだろうか・・・

明治村田君、立教は島田君という予想通りの先発で始まったこの試合。昨日は引き分けており、優勝決定戦は今日が仕切り直しだ。

先攻の明治は2死から宗山君が安打で出塁すると上田君がライトスタンドに放り込んだ。打率4割を超える3年生の上田君は1年からクリーンアップを打ってきた明治の主砲だったが、今季はこれが初本塁打だった。宗山君と上田君、二人でいつでも1点取れるという空気になっていたリーグ終盤戦。優勝決定カードとしての今日の初回はまさに上出来のスタートとなった。

続く山田陸人君も右中間に3塁打で更なる追加点のチャンスだった明治。しかし島田君は2死から安打・本塁打・3塁打と打ち込まれながらも後続を断ち2失点で切り抜けた。その時ベンチに戻ってくる島田君にはまだまだ闘志が漲っていた。1塁側内野スタンドで見ていたボクにはそれが感じられたのだ。

島田君は2回以降5回まで2つの四球は出したものの無安打に押さえた。初回にいきなり打ち込まれたがそれに動じずインコースにもズバズバ投げ込む迫力に先制した明治が臆していったようにも見えた。

立教は2回。昨日は6打数無安打、３三振。しかも9回同点に追いつかれるきっかけとなったエラーまで犯していた主将の山田君が安打で無死1塁。内野ゴロで2塁に進み吉岡君のタイムリーで２−１と追い上げた。

両投手がいい投球を続け今日も後半勝負と思われた。だが立教は6回から島田君に替えて宮君をマウンドに送る。

チーム事情も知らないボクが監督の采配に物申すのもどうかとは思う。しかし1回に上田君の本塁打で2点こそ奪われてはいたが、2回以降は無安打に押さえ味方の反撃で2−1とした後の5回裏の攻撃で2死無走者の場面で代打が送られる意味がボクには理解できなかった。

もちろん島田君になにかアクシデントがあったのか、あるいは外部には知られたくない事情があったのかもしれない。だが、リリーフはなぜ宮君だったのか。彼の調子は昨年のようなキレキレではないのは球場で全試合を見ているボクにもわかる。リリーフだからマウンドに上がったときに出塁していた走者の生還は自責点にはならない。だからこそ投球成績だけを見るとそれほど悪くはないが、昨年は出てくれば誰も打てないという空気は今季にはなかった。慶應との3試合においてすべてにリリーフしたが四球が多くタイムリーも打たれ、その後は早稲田戦で打者1人2球を投げただけでそれを除けば今日は約1勝つぶりの登板だったのだ。

そして先頭の宗山君にライトスタンドに放り込まれると続く上田君にも右中間を破られる2塁打。さらに山田陸人君にもライト奥深いフライで上田君は3塁に進み、ここで宮君は降板した。この1死3塁から立教のマウンドに上がったのは池田君だ。荘司君と2枚看板だった池田君は今季の序盤で走者として出塁してから故障で退場しその後はベンチ入りすらしていなかったが、今日は3人目として登板。1死3塁から後続を断った。

7回の裏。立教は山田君がこの日3本目の安打で出塁するとワイルドピッチとバントで1死3塁。黒岩君の打球はワンバウンドで高く上がったゴロ。これではバックホームは無理だ。1塁送球をする宗山君。この彼のグラブからボールがこぼれた。ほんわりと投げた緩いキャッチボールを落球したと言えばわかるだろうか。彼がそんなエラーをする選手ではない。

1点は彼のエラーのせいではない。だが走者を残したのは彼のせいである。そして・・・

続く吉岡君の打球はどん詰まりの内野ゴロ。それが投手と1塁手の間に転がる。1塁送球は微妙。その微妙というのは2塁手の1塁カバーが遅れていたからだ。投手の村田君はワンテンポ送らせてカバーに入った2塁手の堀内君に投げた。しかしこの送球はタイミングが合わず悪送球となる。2死2・3塁。だが村田君は三振を奪って３−２で試合は8回へ進んだ。

しかし、立教は8回に2死から安打で出塁し9回も先頭が安打で出るが得点には至らず３−２で明治がこのカード1勝目をあげた。今日も下手をしたらまた延長かと思ったが、最後は明治が何とか踏ん張って1点差勝利。明治が優勝に王手をかけた。



2022年5月22日　東京六大学野球春季リーグ戦　第7週2回戦（於　明治神宮野球場）
明治
200 001 000 = 3
010 000 100 = 2
立教