mixiユーザー(id:18419990)

2021年11月25日14:22

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ブルシットジョブ@読書感想文

 つまり読了、読中感想文で色々書いているので、あまり書くことがないが、これだけは声を大にして言いたい。素晴らしい書である!

 著者デビッド・グレーバー氏は政策提言とか書きたくないという、それによって著書が評価されてしまうからだ。本書はあくまで問題を提起する書だという。だからそれはネタバレになるから書かないでおこう。

 私達にできることは何か?それは6章に既に書かれていたも同然だった。労働が義務でしかも苦痛であるべきだ、というのがそもそもの間違いなのだから簡単だ。我々が意識改革をすればいい。来たるべきGBI(グローバル・ベーシック・インカム)に備えて(あ、書いちゃった)「怠け者がいたとして、だからどうなの?」というマインドセットを備える事だ。

 GBIが支給されたとして、皆が怠けるだろうか?始めは存分に怠けるだろうが、やがてそれに耐えられなくなる。人は何もしない事に耐えられないのだ。囚人は独房で何もしない事を強要されるより労働を好む。実際に独房で何もしない事を強要された囚人は脳に物理的に観測できるほどの損傷があったという。

 本書によればケインズが週15時間労働を予測した。だが現在はそうなっていない。ドラえもんに描かれている21世紀、一部の技術的な事象を除けば、さっぱり実現されていない。本書は残りの25時間はブルシットジョブに費やされていると示唆している。
 なんたるディストピアであろうか?過労死、パワハラまたはそれによる自殺。世界は問題に満ちている。その問題に対処するのが我々に与えられた課題だ。経済的な理由で対処できない者もいよう、政治的な立場でできない者もいよう、だが心の奥にでも小さくメモしてもらいたい。
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