mixiユーザー(id:18419990)

2021年11月20日22:53

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ブルシットジョブ@読中感想文@価値と諸価値

 読中感想文を書いて初めて些か後悔した。と言いつつまた書いているわけだが。小説とかだと読中感想文で事足りていて読後だとネタバレになるに過ぎないことも多い。

 本書の5章までは、実際にブルシットジョブに従事している者からの報告に併せて、それがどういう事なのか?そしてそれはどのようにして発生しているのか?という事の考察だった。読んでいて気分が悪くなった。これは社会悪だと思った。
 6章で、もっと踏み込んだ考察が展開される!例えば「絶対的な価値尺度をあきらかにすることの不可能生について」経済学者も誰も価値とは何か本質的にわかっちゃいないのだ。英語のvalueは複数形のvaluesと意味が違うという。前者は「価値」と訳され後者は「諸価値」と訳される。読解力に自信がないが、value(価値)とは金銭に換算できる価値でvalues(諸価値)はそれができない価値で「家族、宗教道徳、政治理念、美、真実、尊厳などにかかわるばあい(本書より)」が適応される。

 6章の題名は「なぜ、ひとつの社会としてわたしたちは、無意味な雇用の増大に反対しないのか?」だ。
 キリスト教の神学について考察されている。それによれば原罪がある。それゆえ労働は苦痛でなければならないという。5章まででも述べられているが企業封建制というものが西欧にはあるようだ。神学的影響で残ってしまったのだ。有益な労働はそれだけで報酬なので、それ以上の報酬は要らないという。
 日本でも同じような状況だと思われる。前述の神学論では理解できないが企業封建制は理解できる。明治維新とか革命的な事象はあるものの、戦前の昭和維新も「いざ君側の奸を斬り」云々である。最前の選挙でも日本維新の党とか、どいつもこいつも維新維新と解っているのか?つまり西欧のように民衆革命は起きていないのだ。だから封建制が残っていてもなんら不思議はない。
 西欧では教員や看護士がストライキを行ったとき、社会的な利益(諸価値)を発生させているのに個人的な利益(価値)も得るのか?とバッシングがあるそうだ。だが日本には諸価値と価値の増大を両立した人物がいる。高田屋嘉平や伊能忠敬、両者とも豪商で前者は日露間紛争を解決し、後者は自分の管轄内の農民を保護した上に利益を得て老後は更に趣味で重要な仕事をした、正にワンパンマンである。
 

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