ブルシットジョブ＠読中感想文

　ネットの記事を読んで、例えば日本のGDPの伸び率は先進国中最低だという記事を読む。政府のどうこういう政策が悪い。企業のどうこういう振る舞いが悪い。実に納得でき正しいと思う。だが、我々庶民はどうすればいいのか？それは記述されていない。ふと中島みゆきの「時刻表（じつは最前ググるまで題名を知らなかった）」の一節が頭に浮かぶ。

誰が悪いのかを言いあてて、どうすればいいかを書きたてて評論家やカウンセラーは米を買う
迷える子羊は彼らほど賢いものはいないと思う
あとをついてさえ行けば、なんとかなると思う

どうすればいいのかすら書いていないのだ。それは
「おまえら莫迦じゃないんだろ？自分で考えろ！」
ということだろうが、結局は迷える子羊は奴らほど賢くない事を読者に示して満足しているようにしか思えない。

「ブルシットジョブ」はそうでない事を祈りつつ読んでいる。目次を見ると最終章は「この状況に対してなにがなしうるのか？」とあるから期待して読み進みたい。
　ブルシットジョブに遭遇した被雇用者のできる抵抗は辞職する事くらいで多くの者はそうしている。だが本書によればそれでもブルシットジョブは増殖しているのだ。
　他人事ではない。ブルシットジョブがあるから私の賃金も上がらないのだ（237頁、図5）。
　私にもできる事を提示してもらいたい。政府が悪い、企業が悪い、は奴らにしかできない。