雨の中、銀行へ行って解約

　ほぼ終日、雨。
　昨夜というか今日の午前3時頃、ワクチン接種を受けた左腕の痛みで目が覚めてしまった。打ってから12時間後になる。深夜零時頃に少し痛みを感じたが、それまでは打ったことを忘れてしまうくらいに何もなかった。
　痛みで早期覚醒とは言うものの、激痛ではない。が、入眠剤の効果は既に消え、なかなか眠りに就くことができなかった。結局午前8時15分に起床したのだが、スマートウォッチのデータをチェックしてみたら、総睡眠時間は3時間半だった。あなたの睡眠の質は悪いです、というような説明書きだった。
　午前10時過ぎ、詩人ノートの翻刻を校正し始める。間違いが多くて閉口、俺ってこんなに馬鹿なのか、と。
　午後2時、近くにある地方銀行へ向かう。2時間前に予約を入れていた。
　少額の投資信託を解約することにした。週刊誌の暇ネタで「間違いだらけの退職金投資」という記事があって、「経済情勢に疎く」「銀行の言いなりで」「買ったあとは放りっぱなし」の人は大半が損をしている、という。私はまさにこのタイプなのだが、銀行から届く報告書を見る限り、マイナスにはなっていない。断捨離気分も手伝って、損が出ないうちに解約しておこう、と。
　いくらの損益なのかを改めて調べてもらってから（10年で約800万*の利益）、解約手続きの書類を書いて銀行を出た。その足でスーパーへ行って、控えめに食料を買ってから帰宅。
　*単位は円じゃなくウォン。
　午後4時半頃にメールをチェックしてみたら、友人からメールの返信が届いていた。スマートウォッチを買い替えたので欲しかったらあげるよ（要らなかったらメルカリで初出品する）、という提案に対し、「ぜひ欲しい！　送料も出すよ」とあった。製品のURLも送っていたので、機能やデザインも見たらしい。
　すぐに「これからすぐに封筒詰めして、たぶんいちばん安いであろう定形外で送る。箱はぺたんと折りたたんでパッケージすることにする。着いたら自分でふたたび箱を組み立ててくれ。だから送料はいらん」とだけ返信し、急いで大型封筒に詰めた。それを郵便局まで歩いて出しに行く。小雨だった。窓口で料金を聞いてみたら140円だった。
　帰宅しつつスマートウォッチを見てみたらその時点で歩数は6700歩、1日の最低目標をクリアしていた。具体的な数値目標に弱い私。
　今夜は李琴峰の『星月夜』を読了予定。昨夜全体の3分の2まで読んだ。日本語を母語としない作家の日本文学で、主人公が台湾から日本に来た男性日本語教師と、新疆ウイグル自治区出身の中国人女性。ところどころに中国語の漢詩や、中国の諺が織り込まれていて、これがいいアクセントになっている。21世紀のダイバシティ時代にふさわしい日本文学で、しかも非正規労働者問題と中国政府によるウイグル族の弾圧という問題が基調になってもいる。この作家は既に何作か作品が出ているようなので、読み終わったらまた別の小説を読んでみたい。

＜あらゆる縛りから逃れたいと願う二人の女性は、異国の地で出会った。両親の反対を押しきり日本で日本語講師の職についた台湾人・柳凝月。新疆ウイグル自治区出身で、日本の大学院を目指す留学生の玉麗吐孜。二人は惹かれ合い恋人同士に。玉麗吐孜の日本語習得を陰で支える柳は、一緒に日本で暮らす将来像を思い描く。しかし玉麗吐孜の心は決まらない。共通の言語を持ち、幾夜も語り合ったはずなのに、柳は玉麗吐孜が背負うものの重さを知らずにいたことに気付く―＞（Amazonでの説明文）