カラスは飼えるか@読中感想文
第3章第1節「鷹は戦闘機に勝てるか」を読んでいて
>(要約)隼の降下速度は400km/h、セスナ172の超過禁止速度は300km/hほど。セスナで隼を追いかけるとセスナが空中分解する恐れがある。
という記述がある。超過禁止速度?初耳ではない気がするが知らなかったと言っていい。しまった!そのような速度の概念がある事に思い当たらなかったことが悔しい。中学生みたいに戦闘最大速度で盛り上がってる場合ではなかった。
ちなみに戦闘最大速度とは最高速度の上、出すとエンジンがぶっ壊れるけど、それを気にして撃墜されてしまったら本末転倒なので戦闘中に限り出しても良いよという速度。私の愛車Djebel 200だと120km/hがそれに相当し、よほど悔しくて目に物見せてやりたいという時以外は出さないことにしている。出しても目に物見せることは出来ないけどね。
超過禁止速度に戻ろう。セスナのような非力なエンジンの飛行機でも時間をかけて充分な高度をとって急降下すれば、いくらでも速く飛べるのだ。私の愛車も下り坂で140km/hのメーターを振り切ったこともあるが、クラッチを切ってエンジンと無縁になれば不安はなかった。私の愛車の超過禁止速度はどれほどかは想像もつかない。
脱線して申し訳ないが超過禁止速度とは機体が風圧に耐えきれずに空中分解する恐れがある速度だ。
私が戦闘最大速度という速度を知ったのはゼロ戦のスペック表を見た時だ。そのとき超過禁止速度という項目があればそのとき知っていただろう。いかにゼロ戦といえども無限の風圧に耐えられるはずがない。きっと空中分解を恐れて敵に撃墜されるより空中分解したほうが武士の誉れなのでスペック表に載らなかったのだろう。堀越二郎さんのノートには超過禁止速度があったはず。
第2節「殿様と鷹」から抜粋
>戦闘機同士の空中戦の場合、敵機の1.5倍くらいの速度がないと好きなように小突き回せないと聞いたことがある。
二次大戦時のグラマン・ヘルキャットとゼロ戦の関係だ。だがゼロ戦オタクの私は少し言いたい。ゼロ戦は運動性能に優れていた。つまり小回りが利いたから簡単に逃げられた。相手が速度を落とした隙を突いて反撃もできた。だからアメリカはゼロ戦との格闘戦を禁止した。一撃離脱戦法、最初の一撃で撃墜できなければあとは逃げろと。大戦初期の優秀なパイロットが残っていれば高性能なヘルキャットが出てきても充分互角に戦えた筈だ。というのは言い過ぎかな?言いたい事は我が国は人材を大切にしない。優秀なパイロットをむざむざ死なせ、代わりに学生あがりの若者に特攻を強いた。これは今も残っている傾向だと思う。
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