mixiユーザー(id:18419990)

2021年06月06日07:42

77 view

資本主義が嫌いな人のための経済学@読書感想文

 目から鱗が落ちまくりである。これを良書と言わずして何を良書というのか?
 右派も左派も誤謬でいっぱいで、本書はそれをひとつひとつ糺している。今、私にはテレビが無いが、今もテレビで偉そうな人がこれらの誤謬を偉そうに述べていそうである。実際スマホで見たオピニオンでこれらの誤謬にハマっている人を見たたような気がする。

 読みかけの時分に日記に書いていて繰り返しになるかも知れないが、私は市場経済に任せておけば「見えない神の手」により上手くいくと信じていた。これが右派リバタリアンの謬見である。「底辺への競争(Race to the bottom)」に陥ってしまうのだ。ゲーム理論である「囚人のジレンマ」等で小気味良く論じられている。価格競争を自由市場で行うと経営が困難なレベルまで底辺への競争になる。イノベーションなんか関係ない。イノベーションされたとしても最初は良くても、やがて底辺への競争になる。IT土方なんて言葉がある。
 いっぽうイノベーションを否定してしまうのが左派の謬見である。イノベーションは全員が幸せになる革命なのに、イノベーションにより仕事を奪われた者にフォーカスしてしまう。

 本書から逸れるが、マルクスの「労働が価値を生む」というのが、そもそも間違いではなかろうか?
 前回の旅は雨に降り込められて過酷で労働と言いたい程のものだった。だが、この旅により価値なんか、これっぽっちも生まれていない。どんなにしんどい旅をしたとしてもだ!
 つまり価値とは労働によってではなく需要によって発生する。
 最近、誰も労働をしていないと言うのは言い過ぎにしても需要だけで何倍にも価値が跳ね上がった物件を知っている。それに関わってしまったので兜の緒を締める為に経済の勉強をせねばと思って本書を読んでいる訳だ。

 本書に戻ろう。本書はリーマンショック・サブプライムローンが起きたちょっと後に書かれた書で、その記述がある。
 恥ずかしい事だが私はこれらの名前は知っていたが内容を知らなかった。莫迦な奴が莫迦な事をしたんだろうという認識だった。それは概ね正しかったが、その内容を知ると知らないのは大違いだ。さらにWikipediaで見ると莫迦さ加減がさらに解る。
 きっとサブプライムローンの市場参加者はその莫迦さ加減を認識していなかったのだろう。しかし相場というものに触ってみれば解る。自分が莫迦だった事は未来にならなければ判らない。だから自分が今関わっている物件も未来は価値がゼロになる事も想定しなければならない。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年06月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

最近の日記

もっと見る