転車台・扇形庫　その１　ベルリン

日本では完全にレアになってしまった鉄道施設である転車台と扇形庫。ドイツにはまだ相当な数が残っています。いまだに鉄道施設として利用されているもの、使用中止して既に長く廃墟状態のもの、多目的に転用されているもの、色々ですが。

で、暇があるとグーグルで探してますが、どの位残っているのかという実数は不明です。とりあえず、勝手知ったるベルリンから始めます。


Pankow。扇形庫と、それより古いタイプの円形庫が残っている。この写真の下側には操車場と貨物駅が広がっていた。主にそのための機関区。操車場と貨物駅は９０年代に閉鎖、整地されてしまったが、まだほとんど空き地のまま。DBは不要な不動産（使われなくなった貨物駅とか）の売却に熱心なんだが（JR東日本がDBの経営コンサルをやってたなぁ、そういえば）、こういう土地は一度手放したらもう絶対買い戻せないですからね。


Lichtenberg、最寄り駅はNördnerplatz。ここはまだそこそこ使われている。Dbではなくて貨物営業や入換え作業をしている私鉄が利用している。留置き線も。Lichtenberg駅はこの写真の右（東）方向。


Schöneweide。ここもまた貨物駅と操車場の機関庫だった。機関庫と周辺は鉄道同好会が使用していて毎年鉄道祭りを開催する。操車場は廃止、整地されて機関区からの線路はほとんど本線から切り離されてしまった。連続しているのは現在一カ所のみかな、
現在の姿、更に線路が撤去されて少なくなっている、、


Rummelsburg。ここは円形庫がかろうじて残っている。既に線路からは切り離され全く使用されていない。風前の灯火かも、、この右下方向は広大なICEの基地になっている。写真の下方にパイプが見えるがこれは地域暖房管で、写真真下は発電所。この発電所では東独時代ファイアレス機関車が使われていた。ドイツ統一後も稼働しているのを見る事が出来た。パイプの上に行き止まりの線路が見えるが、この起源はDRではなくてこの辺りの工場専用線に属していた。東西統一後、使われなくなった凸型電気機関車が留置されていた。そのうちの一両は保存されている。


Technikmuseum Berlin、旧Anhalter Bahnhof第一機関区。ここはアンハルター駅のメイン機関区だった。写真の上、運河を渡るとアンハルター駅。この駅は戦後早くに他の終端駅同様閉鎖されてしまった。写真右側の貨物駅と共に８０年代後半に交通博物館としてオープン、その後技術博物館と名称変更した。僕がベルリンに来た頃、ここはまだ廃墟だった。機関庫や給水塔に上ったりして遊んでいた、、写真左の建物は郵便駅。これもまた郵便事業の鉄道離れで廃止、今はメッセ会場になっている。その更に左側には並列していたポツダム駅の機関区の残骸が存在していた。ここにも扇形庫があって、スクラップ置き場になっていたが、東西統一後整地され消滅した。このターンテーブルは本線と繋がっており、写真南方Südkreuz駅から博物館まで線路が続いている。たまに蒸気機関車が来訪したりもする。


アンハルター駅の南方、Südkreuz駅の更に南、かつての操車場跡が緑地公園として広がっている。緑地といっても放置されていた操車場に勝手に木が生えて来て森になった場所で、人間が活動を止めればあっというまに（４０年くらいで）自然が戻ってくる好例？使用されなくなったのが１９６０年頃、２０年後に僕が来た頃には既に沢山の白樺が生えて森に近づいていた。右側の線路はiCEもバンバン走る本線。


上の写真の右上方、本線の右側は工場地帯だった。工場への引き込み線から貨車を工場内に引き込むために箇所用のターンテーブルがよく使われた。良く判らないかもしれないが、緑の点の部分がターンテーブル、下方へ行く線路が本線へ。工場建物に向かって何本か線路が見える。ここはビール工場（麦芽工場）だった。典型的な煙突が４本見える。この写真の上側にテンペルホフの大きな鉄道工場があった。その敷地と建物は現在IKEAが使っている。


Kichtenberg工場地帯。ここもまた工場への引き込み線。既に埋められてしまっているが、ターンテーブルだったことがよく判る。この工場地帯では９０年代にこういった貨車用ターンテーブルを３基見た事があるが、今では１基も残っていない。線路自体も本線と切断されてしまった。


Schöneweide、Sバーンの車両基地にあるターンテーブル。制御車を回すのに必要なんだろう、それにしても珍しい。左側にトラバーサーが見える。

ベルリン市内にある扇形庫とターンテーブルは、たぶん、これだけだと思う。次はベルリン周辺に残る施設をとりあげようと思う。