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2021年05月13日11:24

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崖の上のカフェ

それは、めまいと立ちくらみがひどくて、膝の具合も悪くなり始めた四月初めの夜の事でした。
月末月初になると昼も夜もネット会議があって、それに加えて趣味のお稽古事もありますからヨメはんの食事時間が早くなったり遅くなったり不規則な日々が続くんで、老いたシェフ(主夫)にはなかなか慣れることができません。
さらに体調も悪いもんですからイライラを抱えてその夜も夕飯の支度をしておりました。

8時過ぎに隣の部屋の会議の声が途絶えて静かになったので、やれやれようやく終わったかと仕上げにかかったら、バタンとお風呂場の戸が閉まる音が聞こえました。
いつもなら”終わったよう〜”とか”お風呂に入っていい?”とか言いながら顔を出すんですが、シェフ(主夫)のことなんかまるで無視して自分だけの世界に浸ってるようです。
仕方ないんでテーブルに並べたカツオのたたきと豆腐サラダを冷蔵庫にしまい、タケノコを焼くのを中止して、お蕎麦を茹でるために沸かした大なべの火も消しました。
夜遅い食事ですから、消化のいいように工夫を凝らしたメニューでありました。
だのにねえ…

ようやく風呂場から出てきて風呂上がりのあられもないカッコのまま焼きタケノコをつまんで、なにやらむにゃむにゃ言いながらまた隣の部屋にお隠れ遊ばしました。
やっとパジャマに着替えて食卓に着くや、”行きたいって言ってた国立のカフェの予約したげたよう〜”なんて突然言い出したので、何のことやら、蕎麦を茹でて冷水でしめてた手を止めて聞き返しました。
”ほら、国分寺からずいぶん歩いていく、テレビでやってたっていうカフェだよう”
が〜んがまん顔
思わず、”体調が悪いって、言ってるだろうがあ!”
”だいじょぶだよ、まだ2週間も先だからさあ”
なんちゅう鬼ヨメでございましょうか涙

「国分寺からずいぶん歩く」というのはテレビhttps://www.nhk.jp/p/furucafe/ts/W6Z2W3826N/の演出だったのでして、住所は国分寺でも、地図で調べたら国立の駅から10分くらいで行けてしまうようなのでした。
まあ、10分くらいなら大丈夫だろうと、2週間後に国立の駅に久しぶりに降り立ちましたらー
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旧駅舎が駅前広場に復元されて建ってましたので懐かしかったけど、鉄道と切り離されてしまっては単なるイベントハウスみたいなもんに見えてしまい、時代の移り変わりに無情を感じたことでした。

駅前のロータリーから5本に分かれる道の、線路と並行して東に向かう小さな通りを進めばすぐに突き当たって長い急な階段になってます、
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上がり切ったらまた階段がー
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さすが国立だけあってお洒落な階段だなあ…
って上がってみたら人様の家の階段でしたうまい!
線路のほうに行く小さな坂道があったので、そうかそうか、こっちかあ…
あれ?
ヨメはんはついてこないで”ダイジョウブなのう〜”なんて疑わし気に待ってます。
ずんずん上ったら線路沿いのテレビで見た道に出たので、戻ってヨメはんに間違いなし!って報告しました。ったく、世話が焼けるなあ。
あとで調べたら、この急な崖道は有名な「国分寺崖線」で、立川に始まり、ここ国分寺からずう〜っと小金井市、世田谷区、大田区まで続いてるってんですから驚きました。
いや、国分寺と小金井は「はけの道」として昔からお馴染みだったんですが、まさか等々力渓谷やこの崖もそうだったなんてねえ、ほんと、自然のスケールって大きいなあ、足の具合が悪いから最短距離の道を探して選んでヨカッタ。

しばらくすると竹林が見えてきました。
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おお、ここです、昭和初期に建築された洋館と和館 竹林と雑木林に囲まれた「カフェおきもと」さん。ーhttps://www.tokyo-np.co.jp/article/56047 https://www.tv-asahi.co.jp/rakuen/contents/backnumber/0241/

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はあ、美味しかったあ、大好きな「カフェRe」のボリュームに「風のシンフォニー」の繊細さまで加わった贅沢なランチでありました。
ビールの酔いが膝に回って、なんだか今日の雨模様の天気みたいになってきたから、ゆっくり帰ろうっと。
なに、ネットで駅の向こうに美味しそうなパン屋をみつけたから行きたいって!?
だめ、却下!
どうしても?
うん、どうしてもダメ!
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