フェイスブック投稿から

昔の島田療育園は個室がなかったが、僕の見た限りでは身障園生同士の会話もなく、心はバラバラだった。園を出た後は縁も切れている。従って、もし、園生同士の会話を描けば、それはウソになると思う。全生園も気の合う者としか、会話はしないようだ。どちらも仲間意識みたいなものは求め合っていない事が判る。当然かもしれない。
　なぜ、僕が彼らの事を覚えているかと言うと、一人一人の個性や魅力に触れ、知ったからである。それらが見えなければ、早くに忘れると。
　旧友の中学の一教師は「学校からは今は仲間関係ができない」と証言している。そのような時代にいるわけだから、コメントはできない。ただし、カルト団体は仲間意識で組織を作ろうとするし、民族や国家単位で仲間意識を強めると民族ファシズムやナチスみたいにもなる。仲間意識は本当に危険なもののようだ。
　さらに大事なことは、島田身障園生たちも、元患者たちも仲間意識や関係を求めていない事が判るし、彼らと個人で付き合った僕も同じである。１９８３年に島田をルポした一身障者は「彼らも恋愛や結婚を求めている。人間は何の為に生きているのか。男は女の為に、女は男の為に。それ以外の目的、私は信じない」と絶叫文も書いている。今思うと、恋愛と結婚の違いとか、結婚制度の考察が欠けているが、気持ちは判る。
　昔の島田や全生園にしろ、今の学校にしろ、仲間意識を求めない事は良いことですよ。ファシズムやカルトには行かないから。僕自身もそうだろうし。