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2020年08月23日07:58

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週記509 シミュレーションと現実の壁

 今回は少しテクニカルな内容になりますが、仕事で聞いたある発表から教訓めいたものを感じたのでそのことについて書いていこうと思います。

付け加えるなら、発表そのものよりもその発表を聞いていた依頼側の冷ややかな反応が多くを物語っていました。

ああやっぱり、というような他人事のような冷ややかさでした。

 さて先日、ある製品の物性についてのシミュレーション結果の報告会に参加したのですが、依頼側(私がいる部署)の反応はあまり良くありませんでした。

というのもシミュレーションをやってもらったけど、それでわかったのはこれまで知っていたこと、もしくは知ってもいかんともし難い設計上の制約くらいで期待していたようなものではなかったというものでした。

私はオブザーバーとして報告会で初めて内容を聞いたので、どのような課題設定でこのシミュレーションを実施したのかはわかりませんでした。

ただ直感的にはこの問題の本質は、数多あるデータ解析の失敗事例と同じく、現場が本当に知りたいこととシミュレーションという技術で分かることが一致していない、つまり課題共有と定義が不十分だったことであると思いました。

 実際よくよく周りの人に話を聞いてみるとその直感は概ね正しいものでした。

どうやら依頼側が研究開発や製造現場で活かすことではなくシミュレーションでできそうなことに注目して課題設定をしてしまった結果、現実的な制約(変えることのできない物性・プロセス特性など)を加えず、「結局なんとなく知っていた特性がデータで出てきた」だけのものになってしまっていたようでした。

つまり、これはシミュレーション部隊の課題というより依頼側の問題だったということです。

 では依頼側がどんな課題解決をシミュレーション部隊に協力してもらうべきだったのか?

言うは易く行うは難しですが、依頼側がシミュレーションでできることを正確に理解したうえで、解決したい課題を直接的に解決するシミュレーションを依頼することが必要だったと考えています。

シミュレーション部隊はドメイン知識があるわけではありませんので、相談された課題の解決方法を考えることはできますが、現場視点で何をシミュレーションで解決すべきかは依頼側が明確なVisionを持っている必要があります。

 もちろん、現場に求めすぎている感はありますが、シミュレーションが現実の壁を乗り越えて使い物になるようにできるのは現場を知る依頼側だけですから自分たちでその努力をしなければならない、と実感した今日このごろ。

以上

【最近のGratitude】
・For my future wife
 Last weekend, I and my girlfriend decided our marriage. One of the happiest day for us. I decided to make her happy for entire of life time. I gratitude her for a lot of times until now, and I will more times gratitude her during living the same way of life.
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